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交差する思い
ユウ
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ユウは蒼がニューハーフとしての道を進むにあたり、言葉では表現出来ないくらいのお世話になった人物である。
年齢は、蒼とは一個違いで、高校の時にSNSで蒼と知り合った。
ユウもまた幼き日より自分の性に違和感を持ち、悩み深い人生を送ってきた。
高三のときに、学校を中退して上京。
ニューハーフとして働き出す。
そして、自分の後を追って東京にやってきた蒼と、まるで姉妹のように深い絆で結ばれながらここまできたのだった。
勿論、上京したての頃は、給料もほとんどもらえず、その日の食事にも困る有り様だった。
だが、自分には帰る場所がないと、甘えた心を捨て、必死に頑張り、今の地位を得た。
蒼も最初は辛い日々を送っていたが、ユウに助けられ、ユウほどの過酷な環境には置かれなかった。
全てはユウのおかげである。
店で倒れた時も、すぐに異変を察知し、救急車を呼んだのもユウだった。
あのとき、少しでも遅れていたら死んでいたと、意識が回復した後、周囲から聞かされた。
それゆえに、蒼は今もユウを慕い、尊敬し、感謝の気持ちを忘れたことはない。
がむしゃらに十代後半から突っ走ってきたユウは、恋愛などにうつつを抜かしている余裕はなく、恋人というものを作らなかった。
勿論、波長の合う男と夜を共にする事もあるにはあったが、その場限りの関係で、いわゆる彼氏的な存在は全くなかったのだ。
もし、あったとしても長続きせず、それこそ一夜限りの関係だと言っても過言ではなかった。
そんな、ユウに転機というものが訪れた。
それも突然に…
その日も、ユウは店に出て、常連客に付いていたり、レビューを披露したりと、忙しくしていた。
「ユウちゃん、土井社長が来られてるよ。」
「えっ、土井社長?
わかりました。着替えたらすぐに付きます。」
ユウはレビューの衣装から接客用のドレスに着替え、すぐに自分のお得意様である土井の元へ向かった。
土井は外車の販売とチューニングショップを経営しており、それなりに需要があるのか、金払いもクリーンな良客だった。
見た目もイケおじといったところで、ユウもお気に入りの客であった。
「いらっしゃいませ、土井社長
あら、今日はお連れさんとご一緒?」
ユウは、珍しく土井が単独ではなく二人で来店したので、聞いてみると
「あー、ウチの新人でね
一緒に飯食った後に立ち寄ったんだ。
荒木君、こちらはユウさんね」
荒木と呼ばれた若者は、礼儀正しく立ち上がってユウに挨拶をした。
「あっ、荒木と申します。」
頭を下げる荒木に、ユウは何も言葉が出ず、固まってしまった。
年齢は、蒼とは一個違いで、高校の時にSNSで蒼と知り合った。
ユウもまた幼き日より自分の性に違和感を持ち、悩み深い人生を送ってきた。
高三のときに、学校を中退して上京。
ニューハーフとして働き出す。
そして、自分の後を追って東京にやってきた蒼と、まるで姉妹のように深い絆で結ばれながらここまできたのだった。
勿論、上京したての頃は、給料もほとんどもらえず、その日の食事にも困る有り様だった。
だが、自分には帰る場所がないと、甘えた心を捨て、必死に頑張り、今の地位を得た。
蒼も最初は辛い日々を送っていたが、ユウに助けられ、ユウほどの過酷な環境には置かれなかった。
全てはユウのおかげである。
店で倒れた時も、すぐに異変を察知し、救急車を呼んだのもユウだった。
あのとき、少しでも遅れていたら死んでいたと、意識が回復した後、周囲から聞かされた。
それゆえに、蒼は今もユウを慕い、尊敬し、感謝の気持ちを忘れたことはない。
がむしゃらに十代後半から突っ走ってきたユウは、恋愛などにうつつを抜かしている余裕はなく、恋人というものを作らなかった。
勿論、波長の合う男と夜を共にする事もあるにはあったが、その場限りの関係で、いわゆる彼氏的な存在は全くなかったのだ。
もし、あったとしても長続きせず、それこそ一夜限りの関係だと言っても過言ではなかった。
そんな、ユウに転機というものが訪れた。
それも突然に…
その日も、ユウは店に出て、常連客に付いていたり、レビューを披露したりと、忙しくしていた。
「ユウちゃん、土井社長が来られてるよ。」
「えっ、土井社長?
わかりました。着替えたらすぐに付きます。」
ユウはレビューの衣装から接客用のドレスに着替え、すぐに自分のお得意様である土井の元へ向かった。
土井は外車の販売とチューニングショップを経営しており、それなりに需要があるのか、金払いもクリーンな良客だった。
見た目もイケおじといったところで、ユウもお気に入りの客であった。
「いらっしゃいませ、土井社長
あら、今日はお連れさんとご一緒?」
ユウは、珍しく土井が単独ではなく二人で来店したので、聞いてみると
「あー、ウチの新人でね
一緒に飯食った後に立ち寄ったんだ。
荒木君、こちらはユウさんね」
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