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交差する思い
若気の至り
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ユウは本名藤井優太といい、荒木翔太とは中学二年、三年で一緒のクラスだった。
二年の春、大阪から転校してきたユウに、最初に声をかけたのは翔太だった。
「藤井」
転校初日の最初の休み時間、翔太が歩み寄ってきて、座っているユウに話しかけた。
「えっ」
「お前、それ地毛?」
髪が少し明るいユウは、よく染めているのかと勘違いされる事も多く、この質問は前に住んでいたところでも度々聞かれた。
「ああ、地毛やで。」
「へえ、なかなか良いやん。
あ、俺、荒木っていうねん。
よろしく頼むわ」
これが二人の出会いだった。
ユウは、翔太の髪型と服装を見て、コイツ、かなり気合い入りすぎてる…と、思わず笑いそうになった。
翔太は、転校してきて右も左もわからないユウに、学校の事などを親切に教え、二人が仲良くなるのにそれほどの時間は必要としなかった。
しかし、他の生徒達は、ユウの周りに近づこうとしなかった。
厳密に言えば、翔太がユウの側にいるときは、誰も近寄らず、翔太がいない時には何人かは話しかけてきた。
ユウ自体は美少年と呼ばれるに相応しい容姿をしており、男女問わず、皆から興味を持たれていた。
それでも、翔太と連んでいるときには見事なまでに誰も近寄らなかったのだ。
つまり、翔太はクラスで浮いた存在で、皆から好かれていなかったのだ。
ユウは翔太の明るく、裏表のない性格に、嫌われている理由がわからず、ずっと疑問を持ち続けていたのだが…
しばらく経ったある日、誰かが言ってた話がユウの耳に入ってきた。
「アイツの親、ヤバすぎやろ」
と、いう言葉が…
ユウは思わず、それを言った生徒に意味を聞いた。
「親がヤバイって、どういうことなん?」
「あ、いや、別に…」
ユウが翔太と仲良しになったのを知っていたその生徒は言いにくそうだったが
「誰にも言うたりせえへんから、教えてや」
と、ユウは教えてくれるよう頼み込んだ。
「えっと、ホンマに言わんといてや」
「わかってるって」
「荒木の親って、殺人犯らしいで」
「えっ」
「俺も詳しいことは知らんけど、ウチの親も言うてたし。」
ユウはそれ以上は聞こうとしなかった。
別に本人がどうのこうのではなく、親の、それも不確かな噂話だけだったからだ。
そんな話をされているとも知らずに、翔太がトイレから帰ってきた。
そして、ユウの方に近づいてくると、ユウに声をかけた。
「優太」
「ん?
どないしたん」
「明日、ヒマ?」
「別に、ヒマやけど。」
「お前に紹介したい人がおるねん。」
「紹介?」
「二個上の先輩やねんけどな。
めっちゃええ人で、いつも遊んでんねん。
お前もどうかなあて、思て。」
ユウは一瞬どうするか考えたが、別にいいかと思い、翔太の誘いに乗ったのだった。
二年の春、大阪から転校してきたユウに、最初に声をかけたのは翔太だった。
「藤井」
転校初日の最初の休み時間、翔太が歩み寄ってきて、座っているユウに話しかけた。
「えっ」
「お前、それ地毛?」
髪が少し明るいユウは、よく染めているのかと勘違いされる事も多く、この質問は前に住んでいたところでも度々聞かれた。
「ああ、地毛やで。」
「へえ、なかなか良いやん。
あ、俺、荒木っていうねん。
よろしく頼むわ」
これが二人の出会いだった。
ユウは、翔太の髪型と服装を見て、コイツ、かなり気合い入りすぎてる…と、思わず笑いそうになった。
翔太は、転校してきて右も左もわからないユウに、学校の事などを親切に教え、二人が仲良くなるのにそれほどの時間は必要としなかった。
しかし、他の生徒達は、ユウの周りに近づこうとしなかった。
厳密に言えば、翔太がユウの側にいるときは、誰も近寄らず、翔太がいない時には何人かは話しかけてきた。
ユウ自体は美少年と呼ばれるに相応しい容姿をしており、男女問わず、皆から興味を持たれていた。
それでも、翔太と連んでいるときには見事なまでに誰も近寄らなかったのだ。
つまり、翔太はクラスで浮いた存在で、皆から好かれていなかったのだ。
ユウは翔太の明るく、裏表のない性格に、嫌われている理由がわからず、ずっと疑問を持ち続けていたのだが…
しばらく経ったある日、誰かが言ってた話がユウの耳に入ってきた。
「アイツの親、ヤバすぎやろ」
と、いう言葉が…
ユウは思わず、それを言った生徒に意味を聞いた。
「親がヤバイって、どういうことなん?」
「あ、いや、別に…」
ユウが翔太と仲良しになったのを知っていたその生徒は言いにくそうだったが
「誰にも言うたりせえへんから、教えてや」
と、ユウは教えてくれるよう頼み込んだ。
「えっと、ホンマに言わんといてや」
「わかってるって」
「荒木の親って、殺人犯らしいで」
「えっ」
「俺も詳しいことは知らんけど、ウチの親も言うてたし。」
ユウはそれ以上は聞こうとしなかった。
別に本人がどうのこうのではなく、親の、それも不確かな噂話だけだったからだ。
そんな話をされているとも知らずに、翔太がトイレから帰ってきた。
そして、ユウの方に近づいてくると、ユウに声をかけた。
「優太」
「ん?
どないしたん」
「明日、ヒマ?」
「別に、ヒマやけど。」
「お前に紹介したい人がおるねん。」
「紹介?」
「二個上の先輩やねんけどな。
めっちゃええ人で、いつも遊んでんねん。
お前もどうかなあて、思て。」
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