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交差する思い
郷里
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翌朝、二人で福山に向かう事となり、高橋は前日の晩に蒼の部屋に泊まりに来ていた。
「ごめんね、わざわざ泊まりに来てもらって。」
「いや、僕の家って津田沼だからさあ、朝イチの新幹線とかにはどう逆立ちしても間に合わないんだよ。
早朝に駅までのバスもないしね。」
「そう言ってたよね。
今晩は精一杯尽くすから、リラックスしてね」
蒼は、そう言って笑うと、高橋の頬にキスをした。
キスを終えると、高橋は少し表情が変わり、思い詰めたような顔になった。
「蒼ちゃん…ホントに僕と結婚してくれるの?」
「うん。
高橋さんさえよかったら」
「僕は出会った時からキミに一目惚れして、ずっとそういう感情を持ってきた。
だから、こういう関係になれたことが夢のようで、まだ信じられない。」
「そんな…
ワタシは男だし、結婚て言っても、実際に籍を入れられるわけでもないし、いわゆる夫婦ごっこみたいなことしかできないのよ。
もちろん、子供だって産めないし。」
「蒼ちゃんは、いつもその事を言うけど、僕はそこに価値を見出していないんだ。
蒼ちゃん自身は、とても辛いって思ってるだろうけど、僕にとってはキミさえ側にいてくれたら、他に何も要らないよ。
蒼ちゃんとだったら、一生笑い合って楽しく生きていける
そう確信できるんだよ。」
「高橋さん…」
「あらためて言うよ。
僕と結婚して下さい。」
蒼は胸を貫かれたような気がした。
高橋は、足下に置いていた鞄をゴソゴソ手を突っ込んだかと思うと、少し緊張した面持ちで蒼を正面から見据えた。
「あの、コレ…」
高橋が手にしていたのは、ダイヤの指輪だった。
かなり無理したのではなかろうか
彼の収入を考えると、少しカラットが大き目であった。
高橋は跪き、蒼の手を取ると、指輪を指に…そっと入れた。
蒼は、その光景を、まるでテレビか何かを見るように、自分の指を通る指輪を俯瞰で見ていたが…
高橋の手の温もりと指輪の感触で、ハッと我に返り、目を見開いた。
慌てて高橋の顔に目の焦点を合わせようとしたが、ダメだった。
涙で高橋の顔が見えなかったからだ。
蒼の嗚咽する声が、静かな部屋の中に響き渡った。
「ごめんね、わざわざ泊まりに来てもらって。」
「いや、僕の家って津田沼だからさあ、朝イチの新幹線とかにはどう逆立ちしても間に合わないんだよ。
早朝に駅までのバスもないしね。」
「そう言ってたよね。
今晩は精一杯尽くすから、リラックスしてね」
蒼は、そう言って笑うと、高橋の頬にキスをした。
キスを終えると、高橋は少し表情が変わり、思い詰めたような顔になった。
「蒼ちゃん…ホントに僕と結婚してくれるの?」
「うん。
高橋さんさえよかったら」
「僕は出会った時からキミに一目惚れして、ずっとそういう感情を持ってきた。
だから、こういう関係になれたことが夢のようで、まだ信じられない。」
「そんな…
ワタシは男だし、結婚て言っても、実際に籍を入れられるわけでもないし、いわゆる夫婦ごっこみたいなことしかできないのよ。
もちろん、子供だって産めないし。」
「蒼ちゃんは、いつもその事を言うけど、僕はそこに価値を見出していないんだ。
蒼ちゃん自身は、とても辛いって思ってるだろうけど、僕にとってはキミさえ側にいてくれたら、他に何も要らないよ。
蒼ちゃんとだったら、一生笑い合って楽しく生きていける
そう確信できるんだよ。」
「高橋さん…」
「あらためて言うよ。
僕と結婚して下さい。」
蒼は胸を貫かれたような気がした。
高橋は、足下に置いていた鞄をゴソゴソ手を突っ込んだかと思うと、少し緊張した面持ちで蒼を正面から見据えた。
「あの、コレ…」
高橋が手にしていたのは、ダイヤの指輪だった。
かなり無理したのではなかろうか
彼の収入を考えると、少しカラットが大き目であった。
高橋は跪き、蒼の手を取ると、指輪を指に…そっと入れた。
蒼は、その光景を、まるでテレビか何かを見るように、自分の指を通る指輪を俯瞰で見ていたが…
高橋の手の温もりと指輪の感触で、ハッと我に返り、目を見開いた。
慌てて高橋の顔に目の焦点を合わせようとしたが、ダメだった。
涙で高橋の顔が見えなかったからだ。
蒼の嗚咽する声が、静かな部屋の中に響き渡った。
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