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磁力
三つの恋
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「へえ、お父さんと同居をねえ。」
ユウは、蒼から話を聞いて驚きの表情となった。
「はい。
そうなんです。
父もようやくこっちの生活に慣れてきて、何か仕事を探そうって頑張っているところです。」
「仕事を探すっていっても、中々大変ね。
知らない土地で、ある程度年齢もいっちゃってるし。
見つけるのも一苦労よね。」
「ユウさん、うちの父って不動産屋を営んでたんです。」
「言ってたわね。」
「不動産の仕事って、結構需要あるんです。」
「そうなの?」
「こういう仕事があるんです。
老夫婦が畑を持ってて、夫婦二人で農業を
続けてたけど、後を継ぐものがいないとします。
そんな人に声をかけて、畑を潰してワンルームマンションなどを建てて、その家賃収入を生活の糧とするってやつです。」
「あー、何かそれ、問題になってなかった?
結局、その農家の人に土地を担保にしてお金を借りさせて、マンションを建てさせるっていう図式でしょ?」
「そうです。
その会社に父は今勤めてます。」
「こっちの土地勘ないのに、大変だね。
あーいう仕事って、まずは親戚とか身内から攻めてくんでしょ。」
「ユウさん、よくご存知で。」
「まあね。
保険の外交員とやってることは同じだね。」
「ええ、まあ…」
「でもよかったじゃん。
お父さん、認めてくれたんでしょ?
真面目男との結婚を。」
「真面目男って
悠生です、彼の名前。」
蒼は、少し膨れっ面になってユウに言った。
「ごめんごめん
ついつい真面目っていう枕詞が出てきちゃうのよ。」
「ところで、ユウさんの方はどうなんですか?
幼馴染の彼氏との関係は。」
「うん。
おかげさまで、上手くやれてる。
自分がこんなに人を好きになれるのかって、あらためて感じてしまう今日この頃だね。」
「なんか幸せそうですもん、ユウさん。」
「あら、そう?
これまでのこと考えたら、少しは幸せになってもいいでしょう~
ワタシも蒼も。」
「ですよねえ
ホントそう思います。」
「とにかく、あのクソ男の事は忘れて、早く自分の人生を取り戻さないと、損だよ、損。」
「はーい
幸せになりまーす」
蒼はおどけた言い方をして笑った。
その頃、俺は相変わらずの生活を送っていた。
会社では、仕事が終わったら真っ直ぐに帰り、友梨奈との時間を大切にするっていうすごし方を。
今日も定時になり、片付けをしていると、上司の家長さんが声をかけてきた。
「山崎、ちょっと一杯行かないか?」
「えっ…」
俺がよっぽど困った顔をしていたのだろう。
家長さんは、慌てて誘うのをやめた。
「今どきの若い社員を、無理やり飲みに誘ったら、ハラスメントになるんだってな。
すまんな、無理に誘っちゃって。
忘れてくれよ。」
「あ、いや、それは…」
俺は、皆に気を遣わせてるんだなって、この時、思い知らされた。
ユウは、蒼から話を聞いて驚きの表情となった。
「はい。
そうなんです。
父もようやくこっちの生活に慣れてきて、何か仕事を探そうって頑張っているところです。」
「仕事を探すっていっても、中々大変ね。
知らない土地で、ある程度年齢もいっちゃってるし。
見つけるのも一苦労よね。」
「ユウさん、うちの父って不動産屋を営んでたんです。」
「言ってたわね。」
「不動産の仕事って、結構需要あるんです。」
「そうなの?」
「こういう仕事があるんです。
老夫婦が畑を持ってて、夫婦二人で農業を
続けてたけど、後を継ぐものがいないとします。
そんな人に声をかけて、畑を潰してワンルームマンションなどを建てて、その家賃収入を生活の糧とするってやつです。」
「あー、何かそれ、問題になってなかった?
結局、その農家の人に土地を担保にしてお金を借りさせて、マンションを建てさせるっていう図式でしょ?」
「そうです。
その会社に父は今勤めてます。」
「こっちの土地勘ないのに、大変だね。
あーいう仕事って、まずは親戚とか身内から攻めてくんでしょ。」
「ユウさん、よくご存知で。」
「まあね。
保険の外交員とやってることは同じだね。」
「ええ、まあ…」
「でもよかったじゃん。
お父さん、認めてくれたんでしょ?
真面目男との結婚を。」
「真面目男って
悠生です、彼の名前。」
蒼は、少し膨れっ面になってユウに言った。
「ごめんごめん
ついつい真面目っていう枕詞が出てきちゃうのよ。」
「ところで、ユウさんの方はどうなんですか?
幼馴染の彼氏との関係は。」
「うん。
おかげさまで、上手くやれてる。
自分がこんなに人を好きになれるのかって、あらためて感じてしまう今日この頃だね。」
「なんか幸せそうですもん、ユウさん。」
「あら、そう?
これまでのこと考えたら、少しは幸せになってもいいでしょう~
ワタシも蒼も。」
「ですよねえ
ホントそう思います。」
「とにかく、あのクソ男の事は忘れて、早く自分の人生を取り戻さないと、損だよ、損。」
「はーい
幸せになりまーす」
蒼はおどけた言い方をして笑った。
その頃、俺は相変わらずの生活を送っていた。
会社では、仕事が終わったら真っ直ぐに帰り、友梨奈との時間を大切にするっていうすごし方を。
今日も定時になり、片付けをしていると、上司の家長さんが声をかけてきた。
「山崎、ちょっと一杯行かないか?」
「えっ…」
俺がよっぽど困った顔をしていたのだろう。
家長さんは、慌てて誘うのをやめた。
「今どきの若い社員を、無理やり飲みに誘ったら、ハラスメントになるんだってな。
すまんな、無理に誘っちゃって。
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