38歳からのニューハーフ講座

フロイライン

文字の大きさ
92 / 234

ニューハーフサラリーマン比呂

「もちろん、平社員というわけではなく、以前と同じ課長として帰ってきて欲しい。」


田口は、比呂に破格の待遇を提示した。


「ですが、現在の課長は伊藤さんが…」

比呂は、驚いて首を横に振ったが


「私は、以前のように菊地課長の下で働かせていただきたいと思っています。

降格で全然かまいません。」

舞彩は、澱みのない言葉で、ハッキリと自分の気持ちを伝えた。


「あ、いや

伊藤君を降格なんてさせないから、その辺のことは安心してくれ。

営業部を二人で仕切ってくれたらと考えてるんだ。」



社長、専務、部長が親族で固められているこの会社にあって、営業課長は事実上の現場のトップである。

そのポジションに、辞めて何年も経つ比呂を抜擢しようとしているのである。


舞彩はともかく、他の社員たちから反発があるのは避けられないと、比呂は考えた。
そして、何よりも、自分は女として生きている。

これも理解のない人たちから見れば、モンスター扱いされてもおかしくないだろう。


比呂が、何も返事出来ないでいると、田口と舞彩が、さらに執拗に復職を求めてきた。


四十を過ぎ、ニューハーフとして水商売の世界で生きていく事に、一抹の不安を感じていた比呂は、復職に対しても大いに不安を抱きながらも、最終的にはその求めに応じ、サラリーマンとしての道を再び歩む事を決めたのだった。
感想 0

あなたにおすすめの小説

世界の終わりにキミと

フロイライン
エッセイ・ノンフィクション
毎日を惰性で生きる桐野渚は、高級クラブの黒服を生業としていた。 そんなある日、驚くほどの美女ヒカルが入店してくる。 しかし、ヒカルは影のある女性で、彼女の見た目と内面のギャップに、いつしか桐野は惹かれていくが…

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

N -Revolution

フロイライン
ライト文芸
プロレスラーを目指す桐生珀は、何度も入門試験をクリアできず、ひょんな事からニューハーフプロレスの団体への参加を持ちかけられるが…

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

秘書と社長の秘密

廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。 突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。 ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?

あなたの人生 高価買取します

フロイライン
ミステリー
社会の底辺の俺には、何の希望もない。日々を惰性で生きるだけのクズ人間だ。 そんな俺は、ある日、ふとした事から、人生をやり直すチャンスをもらうが…

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき