38歳からのニューハーフ講座

フロイライン

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「ごめん…

ワタシ、今お付き合いしている男性がいるの。」


交際を申し込んできた栩野に対し、比呂は申し訳なさそうに断った。


ここでは敢えて舞彩ではなく、省吾の事を告げたのだった。


たしかに、女性と付き合ってるといえば、栩野は不審に思い、比呂が断るためにテキトーな事を言ってると判断するかもしれない。

だから、ここでは、疎遠になっている省吾の事を告げたのだった。



「そりゃそうか…

これだけの美人に変身したお前を放っておくヤツはいないよな。」


「そんな事ないわ…」



「比呂が女になったらここまで美しくなるって、二十年以上前に俺が発見したんだけどなあ。」


栩野は、残念そうに呟いた。



「そうね。

あのとき、そんな事を言われたら、はあ?ってなってたと思うけど…


結果として、今の自分がこうなれた事には感謝してるわ。
あなたのおかげよ。

ワタシは、女になりたい自分に気付かず、それをあなたに見つけてもらったの。

結果、妻や息子を傷つける結果になってしまったけど、女になった事には全く後悔してないわ。

ありがとう。」



「比呂…

お前を恋人にする事は諦めるよ。

でも、たまにでいいから…

また、会って欲しい。」



栩野は、縋るような表情で比呂に言った。


「うん。

いいわよ。」

その頼みには、比呂は笑顔で承諾し、栩野に顔を近づけ、キスをした。
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