38歳からのニューハーフ講座

フロイライン

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和解

まだ意識が戻らない瑛人は、集中治療室におり、比呂や菜月が中に入れる時間も限定的だった。


二人は、外に出てくると、すぐには帰らず、通路にあるベンチに腰掛けた。



「せっかく来てもらったのに、少ししか会えなくて、なんか申し訳ないわ。」


菜月がそう言うと、比呂は首を横に振った。


「家にいても、気が焦るというか、不安で落ち着かないだけだから、ここに来て瑛人の顔を見たり、キミと話している方が少しだけ気持ちがラクになる。」


「うん…

私もよ。

気がついたらここにいるの。」



それから、しばらくの間、話をしていた二人だったが、ようやく腰を上げて病院を出た。


「それじゃあ、また明日来るよ。」



「ごめんね。毎日」

 

「ううん。
ワタシの方が近いし、すぐに来れちゃうから。」


比呂は少し笑みを見せながらそう言った。

すると、菜月は、少し言いにくそうにしながら



「ねえ

もし、時間があるんだったら、少しお茶しない?」

と、誘ってきた。



「全然ワタシはいいけど…」



「ありがとう。

家に帰ったら、また色々考えちゃうから、あまり早くには帰りたくないの。」

と、ポツリと言った。


それについては、比呂も同じで、家で一人でいると、本当に色んな事を考えてしまう。

二人は、病院近くにあるカフェに入っていった。
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