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岸田の思い
「愛さん…」
ずっと黙っていた岸田だったが、ようやく、振り絞るようにして愛の名を口にした。
「愛さん、僕もあなたの事を愛しています。
もちろん、心との約束は守るつもりですし、僕はあなたを妊娠させる役目を果たす事だけを考えて接してきました。
でも、僕も人間です。
機械的に着床させる事だけに専念する事は出来ませんでした。
肌を重ね合わせる度に感情が揺さぶられ、あなたの事を愛するようになっていきました。」
「岸田さん…」
「別にあなたを心から奪ってしまいたいなんて、大それた事は思っていません。
自分の立場は弁えているつもりです。
あなたへの想いは、心の中にしまっておくつもりでした。
でも、愛さんにそんなふうに思っていたただいてたってわかり、僕も自分の思いをお話しする事ができました。
ありがとうございます。」
「岸田さん、私嬉しいです。
そんなこと言っていただけるなんて。」
「いえ…
僕にとって、愛さんはあまりにも美しくて、高嶺の花なんです。
こうして、今、同じ部屋に居られるだけでも幸せです。」
岸田は、どこまでも殊勝な言葉しか発せなかった。
愛の方はというと…
ルックスは圧倒的に心に軍配が上がる。
元々は、その外見に惚れたのだから。
しかし、最愛の夫は、男である事をやめてしまい、去勢までしてしまったのである。
岸田は、外見では心には及ばないが、とても優しい男で、一緒にいるときの、彼が醸し出す空気感がたまらなく好きだった。
お互いに気持ちを言い合った二人は、何かが大きく変わったと、思わずにはいられなかった。
ずっと黙っていた岸田だったが、ようやく、振り絞るようにして愛の名を口にした。
「愛さん、僕もあなたの事を愛しています。
もちろん、心との約束は守るつもりですし、僕はあなたを妊娠させる役目を果たす事だけを考えて接してきました。
でも、僕も人間です。
機械的に着床させる事だけに専念する事は出来ませんでした。
肌を重ね合わせる度に感情が揺さぶられ、あなたの事を愛するようになっていきました。」
「岸田さん…」
「別にあなたを心から奪ってしまいたいなんて、大それた事は思っていません。
自分の立場は弁えているつもりです。
あなたへの想いは、心の中にしまっておくつもりでした。
でも、愛さんにそんなふうに思っていたただいてたってわかり、僕も自分の思いをお話しする事ができました。
ありがとうございます。」
「岸田さん、私嬉しいです。
そんなこと言っていただけるなんて。」
「いえ…
僕にとって、愛さんはあまりにも美しくて、高嶺の花なんです。
こうして、今、同じ部屋に居られるだけでも幸せです。」
岸田は、どこまでも殊勝な言葉しか発せなかった。
愛の方はというと…
ルックスは圧倒的に心に軍配が上がる。
元々は、その外見に惚れたのだから。
しかし、最愛の夫は、男である事をやめてしまい、去勢までしてしまったのである。
岸田は、外見では心には及ばないが、とても優しい男で、一緒にいるときの、彼が醸し出す空気感がたまらなく好きだった。
お互いに気持ちを言い合った二人は、何かが大きく変わったと、思わずにはいられなかった。
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