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父母の誤算
「極度に甘やかされて育ってきた兄が、外の世界で通用するはずもなく、特に同じ学力の者達でスタートする高校生活において、一気に脱落していったのね。」
心がそう言うと、武雄は
「いじめられたとか?」
と、質問した。
「ううん。
ただ、相手にされなかった。
存在を認めてくれない感じがしたんでしょうね。
居場所を失った兄は、プライドだけは誰よりも高かっただけに、自分がそんな扱いを受ける事が耐えられず、そのまま不登校となり、引きこもりとなっていった。」
「うわあ…最悪。」
「兄を溺愛する両親は、学校に何度も足を運んで、この状況をなんとかするように訴えたんだけど、当然どうにもならず、兄が高校に行く事はなくなってしまったの。
ワタシは、そういう感じには育てられなかったから、フツーに中学に入り、フツーに友達ができて、フツーに勉強も出来た。」
「心ちゃんは、見るからに聡明だもんね。」
「お義父さん
褒めなくてもいいのよ。」
心は笑って言うと、話を続けた。
「ワタシと兄とでは、愛情の注ぎ方の違う両親は、そんな兄弟の状況に頭を痛めた。
で、出した結論が、さらに兄を可愛がり、ワタシを阻害するって事だった。」
「酷いな。」
「でも、生まれてからずっとそんな感じ育ってきたから、ワタシはそれがフツーだと思い、僻んだり辛いって思う事なく、楽しく学校生活を送ったのね。
でも、やっぱり多感な時期でもあったし、成長するにつれ疑問を感じ始めたワタシは、自宅からは通えないくらい遠い大学を選び、家を出たの。
両親もワタシが消えてくれたら、兄が辛い思いをしなくて済むから、ワタシが出ていくことは大歓迎だったみたいで、お金も出してくれたわ。」
心は笑いながら、その頃のことを武雄に話した。
心がそう言うと、武雄は
「いじめられたとか?」
と、質問した。
「ううん。
ただ、相手にされなかった。
存在を認めてくれない感じがしたんでしょうね。
居場所を失った兄は、プライドだけは誰よりも高かっただけに、自分がそんな扱いを受ける事が耐えられず、そのまま不登校となり、引きこもりとなっていった。」
「うわあ…最悪。」
「兄を溺愛する両親は、学校に何度も足を運んで、この状況をなんとかするように訴えたんだけど、当然どうにもならず、兄が高校に行く事はなくなってしまったの。
ワタシは、そういう感じには育てられなかったから、フツーに中学に入り、フツーに友達ができて、フツーに勉強も出来た。」
「心ちゃんは、見るからに聡明だもんね。」
「お義父さん
褒めなくてもいいのよ。」
心は笑って言うと、話を続けた。
「ワタシと兄とでは、愛情の注ぎ方の違う両親は、そんな兄弟の状況に頭を痛めた。
で、出した結論が、さらに兄を可愛がり、ワタシを阻害するって事だった。」
「酷いな。」
「でも、生まれてからずっとそんな感じ育ってきたから、ワタシはそれがフツーだと思い、僻んだり辛いって思う事なく、楽しく学校生活を送ったのね。
でも、やっぱり多感な時期でもあったし、成長するにつれ疑問を感じ始めたワタシは、自宅からは通えないくらい遠い大学を選び、家を出たの。
両親もワタシが消えてくれたら、兄が辛い思いをしなくて済むから、ワタシが出ていくことは大歓迎だったみたいで、お金も出してくれたわ。」
心は笑いながら、その頃のことを武雄に話した。
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