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元鞘
「おかえり
心ちゃん」
帰宅した心を武雄が出迎えた。
「ただいま、お義父さん。
ごめんね、長い時間留守にしちゃって。」
「いやいや、全然。
毎日こんな老いぼれと一緒じゃ、息が詰まるだろ。
たまには息抜きしないと。」
「そんな事ないのよ。
毎日楽しく暮らしてるわ。
お義父さんのおかげよ。」
「そう言ってもらえると嬉しいな。」
「ケーキ買ってきたの。
一緒に食べよ。」
心は、手にした小さな紙袋を少し上げ、武雄に言った。
「おお、いいね。」
「お義父さん、モンブランが好きだったよね。」
「覚えてくれてたのか。
嬉しいね。」
「さあ、座って。
コーヒー入れてくるから。」
心は、そう告げると、キッチンに入っていった。
よく気が利き、美人で優しい義理の娘に、武雄は完全に虜になってしまっていた。
生物学的にいえば、心は男であり、戸籍上も娘ではない。
しかし、そんなマイナス面は他の部分で相殺され、お釣りが来るぐらいであった。
妻が倒れた後、面倒を見てくれていた娘は海外に行ってしまい、もういない。
フツーに考えれば、今頃は独居老人となり、寂しく暮らしていたはずだ。
だが、息子の晃之が結婚し、新妻と一緒に同居し、自分の世話を甲斐甲斐しくやってくれている。
こんなに幸せでありがたい事はない
武雄は、心の姿を見つめつつ、感謝の気持ちでいっぱいになった。
心ちゃん」
帰宅した心を武雄が出迎えた。
「ただいま、お義父さん。
ごめんね、長い時間留守にしちゃって。」
「いやいや、全然。
毎日こんな老いぼれと一緒じゃ、息が詰まるだろ。
たまには息抜きしないと。」
「そんな事ないのよ。
毎日楽しく暮らしてるわ。
お義父さんのおかげよ。」
「そう言ってもらえると嬉しいな。」
「ケーキ買ってきたの。
一緒に食べよ。」
心は、手にした小さな紙袋を少し上げ、武雄に言った。
「おお、いいね。」
「お義父さん、モンブランが好きだったよね。」
「覚えてくれてたのか。
嬉しいね。」
「さあ、座って。
コーヒー入れてくるから。」
心は、そう告げると、キッチンに入っていった。
よく気が利き、美人で優しい義理の娘に、武雄は完全に虜になってしまっていた。
生物学的にいえば、心は男であり、戸籍上も娘ではない。
しかし、そんなマイナス面は他の部分で相殺され、お釣りが来るぐらいであった。
妻が倒れた後、面倒を見てくれていた娘は海外に行ってしまい、もういない。
フツーに考えれば、今頃は独居老人となり、寂しく暮らしていたはずだ。
だが、息子の晃之が結婚し、新妻と一緒に同居し、自分の世話を甲斐甲斐しくやってくれている。
こんなに幸せでありがたい事はない
武雄は、心の姿を見つめつつ、感謝の気持ちでいっぱいになった。
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