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杉原兄弟
母と話していた心の前に現れたのは、兄の颯だった。
心は、ビクッとして顔を向けると、そこにはジャージ姿で頭がボサボサで丸々と太っている…
心が知っている頃とは、思いっきり変貌を遂げた兄の姿が視線の先にあった。
颯は、ジッと心の顔を見つめていたが、少し焦ったような表情となり、母の方に視線を移した。
「颯…
心よ。」
母は、ため息をついて心を指さして言った。
颯は、母の言葉に何も答えず、しばらく視線を注ぎ続けていたが、やがて…
「えっ…」
と、一言だけ発した。
「久しぶり…」
心は気まずそうに兄に対して、引き攣り笑いを浮かべながら、女声で言った。
「聞いてよ、颯。
この子、ニューハーフ?っていうのになったって言って、こんな格好で現れたのよ。」
相変わらず、母はイライラした口調で訴えた。
颯は、母に促されると、二人の間に腰掛けた。
引きこもり状態の颯は、一日中家に篭りっきりの生活を送っていた。
ただ、颯の場合、ずっと部屋にいるわけではなく、このように出てきては両親と会話を交わしたり、フツーの関係を築いていた。
何故ならば、息子を溺愛する両親は、引きこもり生活を送る颯を叱ったりせず、彼の心情に理解を示した。
それがあってか、颯は両親とはこのようにコミュニケーションを取り、食事も一緒に食べていた。
心は、相変わらず甘やかされていると感じながらも、自分を奇異の目で見る兄の視線を受け、居心地の悪さを感じた。
心は、ビクッとして顔を向けると、そこにはジャージ姿で頭がボサボサで丸々と太っている…
心が知っている頃とは、思いっきり変貌を遂げた兄の姿が視線の先にあった。
颯は、ジッと心の顔を見つめていたが、少し焦ったような表情となり、母の方に視線を移した。
「颯…
心よ。」
母は、ため息をついて心を指さして言った。
颯は、母の言葉に何も答えず、しばらく視線を注ぎ続けていたが、やがて…
「えっ…」
と、一言だけ発した。
「久しぶり…」
心は気まずそうに兄に対して、引き攣り笑いを浮かべながら、女声で言った。
「聞いてよ、颯。
この子、ニューハーフ?っていうのになったって言って、こんな格好で現れたのよ。」
相変わらず、母はイライラした口調で訴えた。
颯は、母に促されると、二人の間に腰掛けた。
引きこもり状態の颯は、一日中家に篭りっきりの生活を送っていた。
ただ、颯の場合、ずっと部屋にいるわけではなく、このように出てきては両親と会話を交わしたり、フツーの関係を築いていた。
何故ならば、息子を溺愛する両親は、引きこもり生活を送る颯を叱ったりせず、彼の心情に理解を示した。
それがあってか、颯は両親とはこのようにコミュニケーションを取り、食事も一緒に食べていた。
心は、相変わらず甘やかされていると感じながらも、自分を奇異の目で見る兄の視線を受け、居心地の悪さを感じた。
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