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心の拠り所
「お母さん
そろそろ病院に行く?」
心は時計を見てそう言ったが、兄がまた出てきて罵詈雑言を浴びせてくるのではないかと焦り、早くこの家から出たい一心から出た言葉だった。
「まだダメなのよ。
面会時間が決まってるの。」
「そうなのね。
わかったわ。」
心は、あと二時間ほどをこの地獄の家ですごさなければならないとわかり、思いっきり絶望してしまった。
そんな心の様子をじっと見ていた母は、心を手招きすると、耳元で小声で話しかけた。
「心、ごめんね…」
と、そして、続けて
「ホントは怒ってないわ、あなたがニューハーフになったことについて。
そんな事より、あなたに辛い思いばかりさせて、親らしい事を何一つしてこなかった私の罪はあまりにも大きいわ。
本当にごめんなさい…」
さっきまでとは明らかに態度が豹変した母に対し、心は驚き、そして、動揺した。
「お母さん
ワタシを許してくれるの?」
心もまた、颯の事を気にして、声を抑えて言った。
「当たり前よ。
悪いのは全部私たちなんだから。
お父さんは、あんなふうになってしまったけど、元気だった頃は心に謝りたいって、ずっと言ってたの。
でも、颯の事を恐れるあまり、あなたに連絡が出来ず…
ズルズルと来ちゃったの。」
「そんな…」
心は、俯いたかと思うと、顔を押さえて泣き出してしまった。
そろそろ病院に行く?」
心は時計を見てそう言ったが、兄がまた出てきて罵詈雑言を浴びせてくるのではないかと焦り、早くこの家から出たい一心から出た言葉だった。
「まだダメなのよ。
面会時間が決まってるの。」
「そうなのね。
わかったわ。」
心は、あと二時間ほどをこの地獄の家ですごさなければならないとわかり、思いっきり絶望してしまった。
そんな心の様子をじっと見ていた母は、心を手招きすると、耳元で小声で話しかけた。
「心、ごめんね…」
と、そして、続けて
「ホントは怒ってないわ、あなたがニューハーフになったことについて。
そんな事より、あなたに辛い思いばかりさせて、親らしい事を何一つしてこなかった私の罪はあまりにも大きいわ。
本当にごめんなさい…」
さっきまでとは明らかに態度が豹変した母に対し、心は驚き、そして、動揺した。
「お母さん
ワタシを許してくれるの?」
心もまた、颯の事を気にして、声を抑えて言った。
「当たり前よ。
悪いのは全部私たちなんだから。
お父さんは、あんなふうになってしまったけど、元気だった頃は心に謝りたいって、ずっと言ってたの。
でも、颯の事を恐れるあまり、あなたに連絡が出来ず…
ズルズルと来ちゃったの。」
「そんな…」
心は、俯いたかと思うと、顔を押さえて泣き出してしまった。
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