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愛情の配分
母の言葉は、心にとって意外なものであり、そして、とてもありがたい言葉であった。
両親からの愛を受けられず、疎外感を持ってすごしてきたが、何か報われたような気持ちになった。
二人は病院に向かう道中で、これまでに出来なかった話をした。
気を遣う対象の颯がそこにいないから、ようやく素直な気持ちをぶつけ合うことができたのだった。
「お父さんもね、倒れる前に言ってたの。
颯の育て方を間違えたってね。」
母の言葉に、心は
(えっ、今ごろ?)
という感想を持たないでもなかったが、黙って聞いていた。
「あの子を溺愛するあまり、過保護に育て、他の子に劣っているところがあっても、悪いのはあなたじゃないわって、ずっと言い続けてきたの。
そりゃ、小学校はそれでよかったわ。
学校に文句言えば、それなりに改善してくれたからね。
でも、中学、高校に上がるとそうもいかなくなるのも薄々はわかってた。
本当の社会を知るのはその辺からだもんね。
そして、親も段々と介入出来なくなって来る…」
「そうなのかなあ
ワタシにはよくわからないけど」
「心は、私達が放置したがために何でも自分でするようになって、早い段階で自立出来てたもんね。」
「うん…」
「心
こんな事を言うのは筋違いだと思うけど…
颯の事を責めないでやって。
あの子も八方塞がりになって、もうどうにもならない状況にあるってのはよく理解してるわ。
私達が子供のときにちゃんと教育してこなかったがためにあんな事になってしまった…
だから…」
「うん。
責める気持ちなんてないわよ。
よく理解してるつもりだから。」
心はそう言って頷いた。
両親からの愛を受けられず、疎外感を持ってすごしてきたが、何か報われたような気持ちになった。
二人は病院に向かう道中で、これまでに出来なかった話をした。
気を遣う対象の颯がそこにいないから、ようやく素直な気持ちをぶつけ合うことができたのだった。
「お父さんもね、倒れる前に言ってたの。
颯の育て方を間違えたってね。」
母の言葉に、心は
(えっ、今ごろ?)
という感想を持たないでもなかったが、黙って聞いていた。
「あの子を溺愛するあまり、過保護に育て、他の子に劣っているところがあっても、悪いのはあなたじゃないわって、ずっと言い続けてきたの。
そりゃ、小学校はそれでよかったわ。
学校に文句言えば、それなりに改善してくれたからね。
でも、中学、高校に上がるとそうもいかなくなるのも薄々はわかってた。
本当の社会を知るのはその辺からだもんね。
そして、親も段々と介入出来なくなって来る…」
「そうなのかなあ
ワタシにはよくわからないけど」
「心は、私達が放置したがために何でも自分でするようになって、早い段階で自立出来てたもんね。」
「うん…」
「心
こんな事を言うのは筋違いだと思うけど…
颯の事を責めないでやって。
あの子も八方塞がりになって、もうどうにもならない状況にあるってのはよく理解してるわ。
私達が子供のときにちゃんと教育してこなかったがためにあんな事になってしまった…
だから…」
「うん。
責める気持ちなんてないわよ。
よく理解してるつもりだから。」
心はそう言って頷いた。
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