夫が女になって帰ってきた!

フロイライン

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躓き

「お疲れさん。」

仕事を終えて帰ろうとする心に、上司の宮埜が後ろから声をかけてきた。


「あ、お疲れ様です。係長。」


「元気ねえ感じだなあ。
やっぱ新婚で単身赴任は酷だよなあ。」


「いえ、妻が来れなくなったのは、ホント急な事だったので…」


「だよなあ。
本来なら、入社二年目の新婚さんに単身赴任なんて措置はまず取らないからな。」


「自分もサラリーマンなんで、断るって選択肢は無いかなって思いまして。」


「ウチみたいな会社でも出世云々てもんがあるから、会社の辞令を断らないに越した事はないか。」


「ええ。」


「ところで、今日は晩飯はどうすんだ?」


「帰りにスーパーでも寄って帰ります。」


「だったら、軽く行かないか?」


「俺も一人で飲むのも侘しいし、ちょっと付き合ってくれよ。
奢るしさあ。」


「いや、それは…」


「アルハラ迷惑料だと思ってくれればいいよ。」


宮埜は、心の肩に手を置き、豪快に笑った。


宮埜晃之は、年齢三十歳で独身。
身長が180ほどあり、筋トレが趣味の体育会系の男だ。
顔もまあまあ整っており、モテそうに見えるが、本人は全く結婚するつもりがないらしい。

心は、宮埜の直属の部下にあたり、転勤してきてから、何かと目をかけ、可愛がってくれている。

こうして飲みに誘うのも、一人寂しく暮らす心を思っての事だった。



二人は、宮埜がよく行くという新宿の居酒屋に立ち寄った。

新宿を選んだのは、二人共、帰宅するのに便利だったからだ。


「それじゃあ、乾杯!」


「乾杯!

お疲れ様です。」


心はビールのジョッキを宮埜のジョッキに軽くぶつけ、軽く会釈した。


だが、この日、宮埜と飲みに行ったがために、心の運命は大きく変わってしまった…

と、言っても過言ではなかった。

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