夫が女になって帰ってきた!

フロイライン

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酩酊

心と宮埜がこの居酒屋に来てから二時間が経ち、二人共それなりに出来上がっていた。


「おい、杉原」


「なんすか?」


「お前も可哀想な奴だなあ。」


「可哀想?」


「ヤリたい盛りだっつーのに、嫁さんと離れ離れに住んでてよぉ」


「あ、僕は淡白な方なんで、宮埜さんとは違いますから。」


「お前、浮気してねえの?」


「してません。」


「ふーん

じゃあ、風俗は?」


「行きませんよ。」


「マジか?」


「マジっす。

宮埜さんは風俗とか行くんですか?」 


「当たり前だよ。」


「へえ…さすがですね。」


「よし、まだ時間あるな。

お前に風俗奢ったるか!」

宮埜は、腕時計を見ながら言った。


「いや、大丈夫です。
早く帰りましょう。」

心はまともに取り合わず、帰ろうとした。


「ちょい待て。

お前、ソープは?

行った事あんの?」


「ないですよ。
だから、風俗自体行った事ないって言ったでしょ。」


「あー、そうだったな。

よし、それなら杉原に俺のお勧めの風俗を教えてやろう。」


「いいですよ、そんなの。
聞いても行きませんから。」


「まあ、聞け。

俺が初めて風俗を体験したのは、中学の時。

お年玉握りしめて女を買いに行ったのが初めてだった。」


「えーっ、マジっすか!」


「ああ。
俺の住んでたとこの近くが、いわゆる色街っていうの?
昔で言うところの遊郭が立ち並んでるところがあってな。
そこで、初体験を済ませてもらったんだ。」


「エグすぎますね…」


「そんなの俺が生まれ育ったところではフツーの事だよ。」


「どんな地元やねん!」


「以来、俺はありとあらゆる風俗に通い、この道では右に出るものはいないと言われるまでになった。

そんな俺が、今一番ハマってる風俗が何かわかるか?」


「いえ、わかりません。」


「ニューハーフヘルスだよ」


「ニューハーフ?

ニューハーフって、あのニューハーフですか?」


「そうだ。

一周回ってしまったのか、俺はマジでハマってしまった。」


「いやいや、全然想像出来ませんよ。
そこで何をするんすか?」


「ん?
ちょっと待てよ。


杉原…
おまえ、よく見たら可愛い顔してんな。
ニューハーフになれるんじゃね?」


「やめて下さいよ。
自分にそんな趣味はありませんから。」

心は、宮埜に言われた事を往なし、笑い飛ばしたが…
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