夫が女になって帰ってきた!

フロイライン

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心は、なんとか愛と夜の営みをする事が出来た。

本当に、やっとの思いで…という感じだった。

実際に、この時の心は射精をせずに終わっているし、次はもうムリだと考えていた。

この日のセックスが、二人にとって最後となり、心は、この後東京に戻り、それから愛のいる家に帰ってくる事はなかった。

ただ、電話やLINEは、フツーに出来ており、完全に連絡が取れなくなったのは、この日から数えて約半年後の事だった。


ある日突然、急に連絡がつかなくなり、愛は何かあったのかと焦り、心の勤め先に電話をかけていた。


ワケがわからなくなった愛は、単身東京に乗り込み、夫の部屋を訪ねたが、既に転居済みで、その行方は全く不明となっていた。

愛は、心に怒りを感じながらも、もっと早く自分が東京に行っていれば、このような事にはならなかったと、自分を責めた。

愛には愛の事情があり、それは、やはり母親の事があったからだ。

そもそも母が重い病気となり、一人娘の愛が病院で付き添いをしなければならなくなった為に、心が単身赴任をする形になったのだ。
自分の方から東京に行けなかったのは仕方がない事だった。


しかし、何を言っても、もう遅い。


愛は、興信所に依頼し、夫の居場所を探し出そうとした。

その甲斐あって、二か月後に夫の居場所がわかったと、興信所から連絡が入り、今日、調査結果と説明を聞きに行った愛だったが、その内容は耳を疑うものばかりで、現在の夫の写真だと言われ、見せられたものもまた、信じ難いものであった。

愛が途方に暮れている、まさにその時

心は、現在勤めているバーで客の相手をしていた。

胸開きの赤い服からは、見事な胸の谷間が見えており、髪も長く、メイクも完璧であった。

女として生きようと思ってから、約三年以上が経過し、心の外見は、本人も驚くほどのスピードで進行し、誰も心が男であると気付かないレベルにまで達していた。


「愛子ちゃん、今日もお美しいね。」


「そんな事ないわよ。
相変わらず、嶋田さんて言葉に感情がこもってないんだから。」

客の嶋田に褒められた心は、笑いながら軽くいなした。


最悪な事に、心は源氏名を妻から勝手に一字を拝借し、「愛子」と名乗っていたのである。

心は、客のグラスに氷とウイスキーを注ぎ、おかわりを作りながら、やはり過去の事を思い浮かべていた。


そう、ニューハーフヘルスを体験し、この世界にのめり込み始めた三年前の自分を…


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