夫が女になって帰ってきた!

フロイライン

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心の現在地

愛は心が住む部屋に案内され、足を踏み入れた。

玄関に置いてある靴、玄関マット、部屋の家具、カーテン、その向こうに見える洗濯物

視界に入る全てのものが女性物だった。


もし、何も知らない者が部屋を見れば、女性の部屋だと信じて疑わないてあろう。

しかし、この部屋は自分の夫の部屋なのである。

愛は目の前が真っ暗になり、気を失いそうになったが、何とか耐えた。


心もまた、何も準備が出来ていないまま、愛の方から訪ねてきてしまったため、頭の中が真っ白になっていた。

厳然たる事実として、妻は、何一つ悪くないのだ。

とにかく、今は目の前にいる妻に謝罪をしなければならない。


「愛…

本当にごめん…」


心の第一声はそれだった。


「心…


突然あなたに連絡がつかなくなって、会社に連絡してみたら、二ヶ月前に退職したって言われたの。

私、慌てて会社に行ってみたけど、誰も何も知らなくて、行方がわからないっていう…

行き詰まった私は、興信所に調査を依頼した。


そしたら、あなたが女性として暮らしてるって聞いた…」


愛の言葉を受けて、心は、消え入りそうなか細い声で

「キミに言わなくちゃいけないって思いながら、言えないままに…逃げてしまった。」

そう吐露した。


「心、なんで?

なんでなの?

ちゃんと最初から話して。」


「うん…」

この期に及んで、もはや取り繕うことも出来ない。



心は、愛に向けて、これまでの経緯について、正直に話し始めた。


「きっかけは、会社の先輩に連れて行ってもらった風俗で…」


「…」


「そこがニューハーフのお店だったの。

で、ワタシの相手をしてくれたニューハーフの人がすごくキレイで…

そのとき、目覚めちゃったの…」


心は今の自分を押し隠そうとせず、女声で女性の口調で話をした。

それがショックで話が全然入ってこない愛だったが…

心は構わず話を続けた。


「その日をきっかけに、ニューハーフにハマっちゃって、自分もそうなりたいって思い始めて…

女性ホルモンの注射を始めて…

去勢手術も受けたの。」

大体の話は興信所の調査で把握していた愛だったが、心の口から聞いた事で、ショックは何倍にもなった。

「その話が本当だとして、最初のうちは毎月帰ってきてたし、最後に帰ってきた八ヶ月前だって、エッチしたよね?私達。

アレは何だったの?」


「女性ホルモンて言っても、最初のうちは全然変化しないし、効果が出始めるのは何ヶ月か経ってだから、フツーに帰ってたわ。
体への影響もそんなになかったし。

でも、段々と変化が生じ出して、これはマズイと思って、何かと理由をつけて帰る頻度を減らしていったの。

最後の時は、既に去勢手術をした後だったし、セックスについてもほぼ不能になってたけど、ED薬の力を借りて、電気を消す事によって、どうにか愛に気付かれずに最後まで出来た…

でも、アレが限界で…

あの時以来、ワタシは愛に会う勇気が出なくなってしまったの…」

心は震える声で、顛末を伝えた。
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