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心の果て
「えっと、この度、愛子ちゃんがお店を辞める事になりました。
愛子ちゃんはすごく可愛くて、お客様もいっぱい付いていたんですが、ご家庭の事情で東京を離れる事になったそうです。
すごく残念ですが、またいつか会えると信じています。
それでは、愛子ちゃんの新たなる門出を祝して、乾杯!」
最後の仕事を終えた心は、店のママである美咲が開いてくれた送別会に出席していた。
「せっかく人気者になってたのに、ここで辞めるのはホント、惜しいわね。」
心の先輩のニューハーフ玲奈が、残念そうに言うと
「ワタシも本当は辞めたくなかったんですけど…」
心は、さらに残念そうな表情で元気なく言った。
「レイナ、しゃあないのよ。
愛子ちゃんは奥様がいて、ヨリを戻すために帰らなきゃなんないって話よ。」
向かい側に座るユウが話に入ってくると、玲奈は少し驚いた表情となった。
「ニューハーフになる前は、フツーに結婚してて、フツーに旦那さんやってたって人はたくさんいるけど、愛子ちゃんみたいに去勢しておっぱいある体になってんのに、ヨリを戻すなんてパターンは、ほぼ無いんじゃないかな。」
「レイナさん、ワタシもまさか奥さんと仲直りするとは思ってなかったんですけど、こんなワタシを許してくれて…
男として彼女を愛する事はもう出来ないけど、一人の人間としては、これからの人生を共に歩んでいけると思って、離婚しない事を決めました。」
「でも、お仕事はどうすんの?
サラリーマンやるわけにもいかないでしょ。
そんなカラダしてたら…」
「はい…
ひょっとしたら向こうでもまた、ニューハーフのお店で働くかもしれないけど、先ずは昼間のお仕事を探そうと考えています。」
「そっか…
愛子ちゃん」
「はい?」
「すごい短い期間だったけど、ワタシらってソッコーで意気投合して、親友になったじゃん。
こっちに来た時にはぜったいに連絡ちょうだいね。」
「レイナさん…
ありがとうございます。
必ず連絡します。」
心は目をうるうるさせながら玲奈にもたれかかった。
その美貌から、僅かな期間で客からの人気を一身に集めた心だったが、後ろ髪を引かれる思いになりながらも、潔く引退し、昼間の仕事に戻る決意を固めていた。
しかし、現実はそれほど甘いものではなく…
愛子ちゃんはすごく可愛くて、お客様もいっぱい付いていたんですが、ご家庭の事情で東京を離れる事になったそうです。
すごく残念ですが、またいつか会えると信じています。
それでは、愛子ちゃんの新たなる門出を祝して、乾杯!」
最後の仕事を終えた心は、店のママである美咲が開いてくれた送別会に出席していた。
「せっかく人気者になってたのに、ここで辞めるのはホント、惜しいわね。」
心の先輩のニューハーフ玲奈が、残念そうに言うと
「ワタシも本当は辞めたくなかったんですけど…」
心は、さらに残念そうな表情で元気なく言った。
「レイナ、しゃあないのよ。
愛子ちゃんは奥様がいて、ヨリを戻すために帰らなきゃなんないって話よ。」
向かい側に座るユウが話に入ってくると、玲奈は少し驚いた表情となった。
「ニューハーフになる前は、フツーに結婚してて、フツーに旦那さんやってたって人はたくさんいるけど、愛子ちゃんみたいに去勢しておっぱいある体になってんのに、ヨリを戻すなんてパターンは、ほぼ無いんじゃないかな。」
「レイナさん、ワタシもまさか奥さんと仲直りするとは思ってなかったんですけど、こんなワタシを許してくれて…
男として彼女を愛する事はもう出来ないけど、一人の人間としては、これからの人生を共に歩んでいけると思って、離婚しない事を決めました。」
「でも、お仕事はどうすんの?
サラリーマンやるわけにもいかないでしょ。
そんなカラダしてたら…」
「はい…
ひょっとしたら向こうでもまた、ニューハーフのお店で働くかもしれないけど、先ずは昼間のお仕事を探そうと考えています。」
「そっか…
愛子ちゃん」
「はい?」
「すごい短い期間だったけど、ワタシらってソッコーで意気投合して、親友になったじゃん。
こっちに来た時にはぜったいに連絡ちょうだいね。」
「レイナさん…
ありがとうございます。
必ず連絡します。」
心は目をうるうるさせながら玲奈にもたれかかった。
その美貌から、僅かな期間で客からの人気を一身に集めた心だったが、後ろ髪を引かれる思いになりながらも、潔く引退し、昼間の仕事に戻る決意を固めていた。
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