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軌道修正
愛を送り出し、家事を全て終わらせると、心は身だしなみを整え、義母の美都子のところへ向かった。
一応は了承してくれたが、美都子が自分をよく思っていないのは手に取るようにわかった。
たとえニューハーフになってなくとも、血の繋がりのない、しかも義理の息子の世話になるのを、美都子がすんなり受け入れるとは思えなかったからである。
しかし…
「お義母さん、こんにちは」
心は敢えて明るい口調で、美都子に挨拶をし笑顔で接した。
「心さん、あなたにこんな事させてごめんなさい」
いくら心に腹を立てていても、甲斐甲斐しく身の回りの世話をしてくれる心に、申し訳ない気持ちになるしかなく、美都子は心の女性化について何も言わなかった。
「お義母さん、お洗濯物を持って帰りますね。
新しいのは、ここに入れておきます。」
「ごめんなさいね…心さん
あなたにこんな事をさせてしまって。」
「いえ、全然。
それよりもご気分はどうですか?」
心は、ベッドの脇にある椅子に腰掛けると、優しげな口調で話しかけた。
「昨日も言ったけど、最近は調子がよくてね。
ちょっとずつだけど快方に向かってる気がするの。」
「それは本当によかったです。」
心はニコッと笑って言った。
愛から、病院へ行くのは、話し相手になる事が主目的であると聞かされていた心は、積極的に美都子に話しかけた。
美都子も、心の容姿が完璧な女性であるため、義理の息子とは思えず、逆に素直な気持ちで話が出来たのだった。
心が病院に来て一時間くらいが経過すると、お互いに遠慮がなくなり、さらに話が弾んだ。
そうなると、美都子の関心は心がなぜニューハーフになったかということに集中し、質問を浴びせた。
心も、素直に大まかな経緯や自身の心境について話した。
「心さん、私ね
あなたの事が大好きだったの。
愛があなたを連れてきたとき、こんな綺麗な顔をした男の子がいるんだなあって、本当に感心しちゃったの。
女の子になったのは、私としてはショックといえばショックなんだけど…
愛も納得してるようだし、本人達がそれでいいならこちらから言うことは何もないわ。」
「すみません…」
「だから、もう文句とかそういうのは言わないから安心して。
何事も前向きに考えていかないと、病気だって良くならないからね。」
美都子の言葉に、心は涙ぐみ、頭を下げたのだった。
一応は了承してくれたが、美都子が自分をよく思っていないのは手に取るようにわかった。
たとえニューハーフになってなくとも、血の繋がりのない、しかも義理の息子の世話になるのを、美都子がすんなり受け入れるとは思えなかったからである。
しかし…
「お義母さん、こんにちは」
心は敢えて明るい口調で、美都子に挨拶をし笑顔で接した。
「心さん、あなたにこんな事させてごめんなさい」
いくら心に腹を立てていても、甲斐甲斐しく身の回りの世話をしてくれる心に、申し訳ない気持ちになるしかなく、美都子は心の女性化について何も言わなかった。
「お義母さん、お洗濯物を持って帰りますね。
新しいのは、ここに入れておきます。」
「ごめんなさいね…心さん
あなたにこんな事をさせてしまって。」
「いえ、全然。
それよりもご気分はどうですか?」
心は、ベッドの脇にある椅子に腰掛けると、優しげな口調で話しかけた。
「昨日も言ったけど、最近は調子がよくてね。
ちょっとずつだけど快方に向かってる気がするの。」
「それは本当によかったです。」
心はニコッと笑って言った。
愛から、病院へ行くのは、話し相手になる事が主目的であると聞かされていた心は、積極的に美都子に話しかけた。
美都子も、心の容姿が完璧な女性であるため、義理の息子とは思えず、逆に素直な気持ちで話が出来たのだった。
心が病院に来て一時間くらいが経過すると、お互いに遠慮がなくなり、さらに話が弾んだ。
そうなると、美都子の関心は心がなぜニューハーフになったかということに集中し、質問を浴びせた。
心も、素直に大まかな経緯や自身の心境について話した。
「心さん、私ね
あなたの事が大好きだったの。
愛があなたを連れてきたとき、こんな綺麗な顔をした男の子がいるんだなあって、本当に感心しちゃったの。
女の子になったのは、私としてはショックといえばショックなんだけど…
愛も納得してるようだし、本人達がそれでいいならこちらから言うことは何もないわ。」
「すみません…」
「だから、もう文句とかそういうのは言わないから安心して。
何事も前向きに考えていかないと、病気だって良くならないからね。」
美都子の言葉に、心は涙ぐみ、頭を下げたのだった。
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