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王の帰還
三年余りの間、入退院を繰り返し、そのほとんどを病院ですごしていた愛の母美都子が、奇跡的に回復を果たし、退院が許された。
前回までとは違い、全快したという医師からのお墨付きをもらってだ。
愛の父はすでに亡くなっていて、美都子は愛が結婚してから一人で暮らす日々だったが、今回の退院を機に、心と愛の家で同居する事になった。
美都子は恐縮し、ずっと固辞してきたが、主に心が説得して、最終的には翻意し、娘達の申し出を受け入れたのだった。
退院の日も、仕事で忙しい愛に代わって、心が迎えに行き、車に乗せて家まで連れて帰ってきた。
「荷物ここに置くね、お義母さん」
「何から何まで申し訳ないわね、ココ」
「何を言ってんのよ。
ワタシら家族じゃない。
そんなの遠慮しないで。」
「うん。
本当にありがとう。
ココがいてくれて、本当によかったわ。
私は幸せ者ね。」
「大袈裟よ。
お義母さん、この部屋を使ってね。
狭くて申し訳ないんだけど。」
「十分よ。
二人だけの生活なら3LDKで事足りてたのにね。
私が来て生活設計が狂っちゃったね。
ごめんなさい。」
「ううん。
謝るのはワタシの方…
結婚してここに越してきたときは、子供が出来た時のことを思って、3LDKの部屋を敢えて選んだのよ。
でも、ワタシが去勢してニューハーフになっちゃったから、子供なんて一生出来なくなってしまったわ。
お義母さんにも孫の顔を見る機会を永遠に失わせてしまって…
本当にごめんなさい…」
「ココ、その話はもう…」
「お義母さん
もし、愛ちゃんに好きな男性が出来たなら、ワタシ全然身を引くから。
愛には子供を産んで欲しいし、お義母さんにも孫の顔を見て欲しいの。」
「ココ、それは違うわ。
もし、そうなったとしても愛が妊娠できない体かもしれないし、相手だってそうかもしれない。
子供なんてものは授かり物で、タイミングみたいなものがあるのよ。
世の中にはそういう人はいっぱいいるし、それでも幸せに暮らしていくことが大切よ。
二人にとって何が一番幸せか、よく話し合って決めてね。」
「お義母さん…」
「少なくとも私は、アンタという可愛い娘が出来て、本当に嬉しく思ってる。
気も合うし、お互いに遠慮もない。
大好きよ。」
「ありがとう、お義母さん」
ココは美都子に抱きつき、涙を流した。
「アンタは私の裸を見てるし、もう恥ずかしい事もないわ。」
「それは体拭いたりしてたから。」
「今度は、ココの裸も見てやるからね。」
「フフッ
温泉旅行が楽しみになってきたわ。」
心は涙を拭いて笑って言った。
やはり、義母とは何かと合うと感じながら。
前回までとは違い、全快したという医師からのお墨付きをもらってだ。
愛の父はすでに亡くなっていて、美都子は愛が結婚してから一人で暮らす日々だったが、今回の退院を機に、心と愛の家で同居する事になった。
美都子は恐縮し、ずっと固辞してきたが、主に心が説得して、最終的には翻意し、娘達の申し出を受け入れたのだった。
退院の日も、仕事で忙しい愛に代わって、心が迎えに行き、車に乗せて家まで連れて帰ってきた。
「荷物ここに置くね、お義母さん」
「何から何まで申し訳ないわね、ココ」
「何を言ってんのよ。
ワタシら家族じゃない。
そんなの遠慮しないで。」
「うん。
本当にありがとう。
ココがいてくれて、本当によかったわ。
私は幸せ者ね。」
「大袈裟よ。
お義母さん、この部屋を使ってね。
狭くて申し訳ないんだけど。」
「十分よ。
二人だけの生活なら3LDKで事足りてたのにね。
私が来て生活設計が狂っちゃったね。
ごめんなさい。」
「ううん。
謝るのはワタシの方…
結婚してここに越してきたときは、子供が出来た時のことを思って、3LDKの部屋を敢えて選んだのよ。
でも、ワタシが去勢してニューハーフになっちゃったから、子供なんて一生出来なくなってしまったわ。
お義母さんにも孫の顔を見る機会を永遠に失わせてしまって…
本当にごめんなさい…」
「ココ、その話はもう…」
「お義母さん
もし、愛ちゃんに好きな男性が出来たなら、ワタシ全然身を引くから。
愛には子供を産んで欲しいし、お義母さんにも孫の顔を見て欲しいの。」
「ココ、それは違うわ。
もし、そうなったとしても愛が妊娠できない体かもしれないし、相手だってそうかもしれない。
子供なんてものは授かり物で、タイミングみたいなものがあるのよ。
世の中にはそういう人はいっぱいいるし、それでも幸せに暮らしていくことが大切よ。
二人にとって何が一番幸せか、よく話し合って決めてね。」
「お義母さん…」
「少なくとも私は、アンタという可愛い娘が出来て、本当に嬉しく思ってる。
気も合うし、お互いに遠慮もない。
大好きよ。」
「ありがとう、お義母さん」
ココは美都子に抱きつき、涙を流した。
「アンタは私の裸を見てるし、もう恥ずかしい事もないわ。」
「それは体拭いたりしてたから。」
「今度は、ココの裸も見てやるからね。」
「フフッ
温泉旅行が楽しみになってきたわ。」
心は涙を拭いて笑って言った。
やはり、義母とは何かと合うと感じながら。
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