夫が女になって帰ってきた!

フロイライン

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予感

「それじゃあ行ってくるね。」

愛が身支度を整え、仕事に行こうとすると、心が

「愛ちゃん、お弁当忘れてるわよ。」

と、言って、朝早く起きて作った手製の弁当を手渡した。

「あっ、ごめん。
せっかく作ってくれてたのに、忘れるところだったわ。」

愛は弁当を受け取り、カバンに入れると、家を出ていった。



「もう、おっちょこちょいなんだから、あの子。」

美都子が心に声をかけると


「仕方ないわよ。

最近、遅くなる事が多いし、色々大変なんだと思うよ。

ワタシみたいに気楽な専業主夫とはワケが違うわ。」

と、笑って答えた。


「そんな事ないわよ。
ココは立派よ。

家事なんて、最近なんでしょ?
やりだしたの。」


「うん。まあね。

女として生きるからには、その辺のことも出来ないとって…」


「よく三年でここまできたわね。」


「本物の女性にはなれないってわかってるけど、料理とかは、勉強さえすれば追いつけるかなって。

それで、やってみたら楽しくて。」


「化粧だって、本当に上手よね。」


「お化粧は、マジ楽しい。
大好き」


「それだけ綺麗だと、なんかこっちが恥ずかしくて顔を見せられなくなるわ。」


「美都子も美人だよ。
愛ちゃんがお母さん似だってのがよくわかるし。」


「へえ、相変わらず口が上手いこと。」


「本気で思ってるし。」


「素直に受け取っとくわ」


美都子は、そう言って笑った。

心もつられて笑っていたが、すぐに笑うのをやめ、何やら考えていたが…


少し間があって、ポツリと言った


「ねえ、美都子

ワタシと愛ちゃんが離婚するってなったら、どうする?」


「えっ…」


「もしもの話だよ。」



「ココ…

ひょっとして、夫婦生活が辛くなった?」


「ううん。

ワタシはそんな事ないよ。

多分だけど…


愛ちゃん、好きな人が出来たと思う。」



「えっ、まさか!」


「愛ちゃんて、サバサバした性格で、わかりやすいのよ。
隠し事もヘタだし。」


「そんな感じがあったの?」


「うん。
携帯で誰かとずっとやり取りしてるし、今までは全然放置してたのに、最近はお風呂に行く時も携帯を脱衣場まで持っていってる。」


「それは、怪しいわね…」


「こんなオカマでも一応夫婦だからね。

何となくわかるのよ。」


「ごめんなさい…ココ」


「ううん。
元はと言えばワタシが全部悪いんだから。

でも、愛ちゃんの性格からして、正直に話をしようとするはず。
そろそろね…」


心がそう言うと、美都子はまた頭を下げて謝罪をした。
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