夫が女になって帰ってきた!

フロイライン

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善は急げ

翌日の休みの日、岸田が心の家にやってきた。


そんな事は何も知らない美都子は、仕事に出ており、二人の他に、当事者の愛、宮埜が加わり、四人での話し合いが行われていた。


「岸田さん、こんな事で来ていただいて、本当に申し訳ありません。」


愛は、元気のない様子で、項垂れて言った。


「あ、いえ。

大変なことになってますね。
ご心中、お察しします。
自分にできる事があれば何でもしますので…」


岸田は、少し緊張した様子で、頭を下げた。



「それじゃあ、岸田さんにはワタシから説明させてもらっていい?」


心が向かい側にいる愛に確認すると、彼女は静かに頷いた。


「彼女には、お付き合いしている人がいて、その人と同棲する事になったんだけど、一緒にいるうちに、その人にとんでもない性癖がある事がわかった。

その時の愛ちゃんには、まだその男性に対して、愛情があったから、嫌ではあったんだけど、その変態的なプレイをする事に同意した。

でも、その男性は、プレイだけでは飽き足らず、動画にその模様を収めてしまったっていうわけ。」


心がそこまで話すと、岸田は頷き、言葉を引き取り、話し始めた。

「少し内容は聞いていましたので、よくわかりました。

愛さん、動画は一つだけですか?」


「いえ…

実は、その後、あるパーティーに連れて行かれ、そこでまた撮影をされてしまいました。



「パーティーですか?」



「はい、いわゆる会員制の乱交パーティーのようなもので、私は客の立場ではなく、その男によって生贄のような形でその場に差し出されました。」


「あの、愛さん

その会には、どんな人が客として来ていましたか?」


岸田は、少し早口で質問した。


「政治家の人が多かったように思います。
大企業の社長や、結構地位のある人が来てました。」


「その会員制クラブの名前は、何と?」


「いえ、それは私にもわかりません。

その男に連れて行かれただけですので…

あっ」


「何ですか?」


「たしか、誰かが、そこの事をDエンジェルと呼んでいたのを耳にしたような気が…」



「えっ、Dエンジェル…」


岸田は、その名を言うと、顔色が変わってしまった。



「おい、岸田
どうしたんだよ。」



宮埜が言うと、岸田は急に元気をなくした。


「宮埜さん、ちょっとマズいかもしれません。」


「何がだ?

相手の男って、そんなに危険なのか。」


「いえ、危険なのはそいつじゃありません。

その秘密クラブの方です。」


「なんだって」


三人共が岸田の方を一斉に見た。
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