夫が女になって帰ってきた!

フロイライン

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「罪状もあやふやで、任意同行でここまで連れてこられて、ワタシ達がもし、なんの罪も犯していないとしたら、大問題になりませんか?

浅村署長。」


心は、落ち着いた口調で浅村をまっすぐ見て問いかけた。


「まあ、そうですね。

昔と違って、今は色々うるさいですから。
私達も普段であれば、こんな手荒な真似はしません。」


「つまり、バックが巨大であるが故に、問題にはならないとわかっていて、こういう事をしたって事ですね。」


「杉原さんは、頭脳明晰で冷静沈着であられる。

お連れの方に比べて、よほど肝がすわってらっしゃる。」


「そんな事はありません。

ワタシもすごく怖いですよ。

よく言うでしょ?

お前、キンタマ付いてんのかって。

ワタシは付いてませんから。」


「ハッハッハ

いやあ、私はあなたのファンになりましたよ。

出来ることなら、こんど一緒に食事がしたいですね。」


「ワタシが冤罪で刑務所に送られず、無事に釈放された暁には是非。」


心は依然として冷静に立ち回っていた。



「杉原さんは全てのことをわかっておられるようですので、敢えて取り繕うような事を言わなくてもいいでしょう。」


「そうですね。

あなた方の立場もよく理解しています。

ですが、ワタシだって本当は怖いんですよ。

このまま、でっち上げ裁判にかけられて有罪が確定し、ずっと刑務所暮らしをしなければならなくなったら目も当てられませんので。」


「こんな事を申し上げるのは心苦しいですが、このまま行くと、あなたが予想する最悪のシナリオで進んでいくんじゃないですか。」



「そうとも限りませんよ。

多分、今のこの瞬間も、二つの勢力が鬩ぎ合いをしているはずです。


ワタシが賭けている方が勝てば、釈放され、あなた方はピンチに陥ります。

あなた方のバックが勝てば、ワタシ達にとっては最悪の結果を招く事でしょう。


なんか、ワクワクしてきました。」


心は、そう言って笑い、浅村を見つめた。




すると、いつの間にか、浅村の顔から笑顔が消え、その表情が少し強張っているように見えた。
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