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不動心
「杉原さん。
あなたは、ご自分でどう思われますか。」
浅村は、目を瞑って静かに時が経つのを待っている心に話しかけた。
「何がです?」
「今、あなたは大ピンチですよね?」
「フッ
否定はできませんね。」
「実際、この危機を脱する事ができるとお思いですか?」
「どうでしょう。
ワタシ達は、ここに拘束されていますので、どうすることも出来ません。
天命に委ねるだけです。」
「天命に委ねるという言葉は、自分で出来るだけの事をし、あとは天に身を任せるしかないという意味だったと思います。
まさに、今のあなたの状況と似てますね。」
「そうですね。
浅村署長、あなた方は、どうされるおつもりですか?」
「どうとは?」
「ワタシ達がこの危機を脱した場合の話です。」
「そうですね。
もし、あなたのおっしゃった通りの事が起きると、我々にとって、些かよろしくない状況になるでしょう。」
「では、立場的にはワタシ達と同じですね。」
「ええ。まったく。」
「では、お互い祈りながら待ちましょうか。」
「杉原さん、あなたは本当に肝が据わってらっしゃる。」
「いえ、ワタシは去勢した臆病者のニューハーフです。
本当は怖くてしょうがないのを、誤魔化しているだけです。」
心が笑ってそう言うと、浅村もまた笑った。
二人は、もちろん知らなかった。
力を持った者同士が綱引きをしている真っ最中であるということを…
あなたは、ご自分でどう思われますか。」
浅村は、目を瞑って静かに時が経つのを待っている心に話しかけた。
「何がです?」
「今、あなたは大ピンチですよね?」
「フッ
否定はできませんね。」
「実際、この危機を脱する事ができるとお思いですか?」
「どうでしょう。
ワタシ達は、ここに拘束されていますので、どうすることも出来ません。
天命に委ねるだけです。」
「天命に委ねるという言葉は、自分で出来るだけの事をし、あとは天に身を任せるしかないという意味だったと思います。
まさに、今のあなたの状況と似てますね。」
「そうですね。
浅村署長、あなた方は、どうされるおつもりですか?」
「どうとは?」
「ワタシ達がこの危機を脱した場合の話です。」
「そうですね。
もし、あなたのおっしゃった通りの事が起きると、我々にとって、些かよろしくない状況になるでしょう。」
「では、立場的にはワタシ達と同じですね。」
「ええ。まったく。」
「では、お互い祈りながら待ちましょうか。」
「杉原さん、あなたは本当に肝が据わってらっしゃる。」
「いえ、ワタシは去勢した臆病者のニューハーフです。
本当は怖くてしょうがないのを、誤魔化しているだけです。」
心が笑ってそう言うと、浅村もまた笑った。
二人は、もちろん知らなかった。
力を持った者同士が綱引きをしている真っ最中であるということを…
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