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心象
「そうだったな。
去勢したいって、あの時既に言ってたもんな。」
車を運転しながら、今野は言った。
「そうね。
あのときは、少しでも早く女らしくなりたかったし、去勢するのはマストだと考えてたから。」
「反対しても全然聞かなかったもんな。
でも、あそこで一気に変わってったよな。」
「うん。
自分でも変わったって自覚があった。
肌質とか、物の考え方とか、女性ホルモンをしてからも変わったって感じてたことが、さらに拍車をかけたっていうか。」
「…
すまん…
あれからすぐだったよな。
俺がキミに、別れを持ち出したのは…」
「だから、もう済んだことよ。
謝らないでよ。」
心は笑ってそう答えた。
しかし、当時の心は、その事実に耐える事が出来なかった。
忘れようとしても忘れられない…辛い思い出…
心は、去勢後、初めて妻の元に帰り、一週間をすごした。
半年ぶりの帰宅した夫に、愛は、変化している事に気付きはしたが、それがまさか女性ホルモンと去勢手術によるものだとは夢にも思わなかった。
女性らしく皮下脂肪が付いたその肉体は、単純に一人暮らしによる不摂生としか思っていなかった。
なんとか妻の目を誤魔化し、自宅に帰ってきた心は、その夜、家に遊びにきた今野と話をしていた。
「しかし、よくバレずに済んだな。」
「色んな条件が重なって、何とかね。」
「でも、そろそろ限界じゃないのか?」
「そうね。
サラリーマンとニューハーフのお店の二足の草鞋も、そろそろ会社の方が厳しくなってるのよ。」
「その見た目じゃなあ。」
「うん。
まあ、仕方ないわ。
ところで、話って何?」
こころが質問すると
「うん…」
今野の顔色が少し曇った。
去勢したいって、あの時既に言ってたもんな。」
車を運転しながら、今野は言った。
「そうね。
あのときは、少しでも早く女らしくなりたかったし、去勢するのはマストだと考えてたから。」
「反対しても全然聞かなかったもんな。
でも、あそこで一気に変わってったよな。」
「うん。
自分でも変わったって自覚があった。
肌質とか、物の考え方とか、女性ホルモンをしてからも変わったって感じてたことが、さらに拍車をかけたっていうか。」
「…
すまん…
あれからすぐだったよな。
俺がキミに、別れを持ち出したのは…」
「だから、もう済んだことよ。
謝らないでよ。」
心は笑ってそう答えた。
しかし、当時の心は、その事実に耐える事が出来なかった。
忘れようとしても忘れられない…辛い思い出…
心は、去勢後、初めて妻の元に帰り、一週間をすごした。
半年ぶりの帰宅した夫に、愛は、変化している事に気付きはしたが、それがまさか女性ホルモンと去勢手術によるものだとは夢にも思わなかった。
女性らしく皮下脂肪が付いたその肉体は、単純に一人暮らしによる不摂生としか思っていなかった。
なんとか妻の目を誤魔化し、自宅に帰ってきた心は、その夜、家に遊びにきた今野と話をしていた。
「しかし、よくバレずに済んだな。」
「色んな条件が重なって、何とかね。」
「でも、そろそろ限界じゃないのか?」
「そうね。
サラリーマンとニューハーフのお店の二足の草鞋も、そろそろ会社の方が厳しくなってるのよ。」
「その見た目じゃなあ。」
「うん。
まあ、仕方ないわ。
ところで、話って何?」
こころが質問すると
「うん…」
今野の顔色が少し曇った。
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