ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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「オヤジ、松山を連れてきました。」 

「ご苦労だったな、大西。」 

組長の多村譲司は大西の働きを労った後、自分の部屋から退出するように命じた。 

部屋に残されたのは、多村とそのボディーガード二名、そして亮輔の計四名となった。 

亮輔はガタガタと震え上がりながら、ただ俯くだけであった。 

多村はそんな亮輔の姿を、取り乱すことなく冷徹な目で見つめ、ゆっくりと話し始めた。

「亮輔… お前いくつになった?」 

「… じ、十九です。」 

「そうか… お前がここに来たのが、確か十五だったよな。 
あれから四年か…早いもんだ。」 

多村は身長こそ160そこそこで、見るからに小柄な小太りのおじさんという感じであったが、目つきが鋭く 
やはり一見してカタギには程遠い雰囲気を醸し出していた。 

「いいか 、亮輔… わしはお前には人一倍目をかけてやった。 
直盃を交わしてやるのも、異例のことだったな。
別にそれに対して、恩を売ってるわけじゃあない。 
お前もそれに応えるべくよく働いてくれたからな。 
だが、お前は越えてはいけない線を越えてしまったんだ。わかるな?」 

亮輔は多村が何を言っても、ただ泣きながら何回も頷くだけだった。 

「俺達はメンツで生きてるような人種だ。 
そのメンツをつぶされちゃあ黙っていることが出来なくなるんだ。わかるな?」 

「ほ、本当に出来心なんですっ! 指詰めさせていただきますんで… どうか命だけは…」 

亮輔は今から自分に下されようとする判決に恐怖で耐えきれず、多村にすがりつくように泣いて土下座した。 

「亮輔、まあ落ち着け。今どき指詰めるなんてことはこの世界でも流行らないんだよ。 
ましてや自分の組の構成員を殺すなんてこともな。」 

「あ、ありがとう… ございます…」 

「だが、お前がしたことを許せるほど俺は器量がデカくないのも確かだ。」 

「…」 

「お前には、自分がしたことをいつでも後悔できるような罰を用意した。 
連れて行け!」 

多村は両サイドに立っていた屈強なボディーガードに命令した。 
二人は頷くと無表情で亮輔の脇を抱えて持ち上げた。 

亮輔は声を上げて泣きながら外に連れ出されていった。 
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