ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

文字の大きさ
37 / 409

捕球

しおりを挟む

実家で花嫁修行をする亮輔は、久しぶりにのんびりとした時間をすごすことが出来ていた。 

しかし、この田舎での生活で一つだけ困ることがあった。 

それは女性ホルモンの注射をしてくれる病院が存在しないことだった。 

店に出ていた頃はヒロミに教えてもらった美容外科で、ほぼ毎週ホルモン注射を打ってもらっていた。 
そうやって定期的にホルモンの補填をしないと、睾丸の無い亮輔の体は自力で内分泌をコントロール出来ず、体調を崩してしまうのだ。

ネットで経口タイプのものを取り寄せても良かったが 個人輸入という形になるため、時間がかかってしまう。 

どうしようか思案していると、ふと、前に同僚のニューハーフが話していたことを思い出した。 

産婦人科でもホルモン注射を打ってくれるところがあるという内容の話を、確か聞いたことがある… 

亮輔は早速、母親に聞いて地元の産婦人科に電話をした。 
断られる可能性が高いと踏んでいたのだが、何故かすんなりOKしてくれたので ホッと胸をなで下ろした。 

しかし、実際に足を運んでみると、美容外科とは全然勝手が違って、亮輔は一気に緊張感に包まれてしまった。 

中に入って周りを見渡すと、ほぼ100パーセント女性で非常に辛いものがあった。 

それでも目的を果たさなければいけない。 

受付に行き 

「すいません… 先ほどお電話しました松山と申しますが…」 

と、小さな声で伝えると、受付にいた女性は 

予想外の方向から聞こえてきた男性の声に 
びっくりして顔を上げた。 


それでも 

前もって連絡していたこともあり、すぐに事務的な対応に戻った。 

「それでは、体温測定とこれに御記入をお願いします。」 

亮輔は体温計と問診表のようなものを渡されて椅子に座った。 

やはり、どうも落ち着かない。 

けれども、注射はどうしても打たなければならない… 

亮輔はキツイ雰囲気の中、自分の名前が呼ばれるのをひたすら待った。 

一時間は待っただろうか…診察室のドアが開いて、看護士の女性が呼び出しを行った。 

「松山さん~! 松山亮輔さん!」 

(ゲゲッ!下の名前まで言いやがった!!) 

亮輔はその場から逃げたくなった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

BODY SWAP

廣瀬純七
大衆娯楽
ある日突然に体が入れ替わった純と拓也の話

処理中です...