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blue rain
本来、多村と綾香が結婚式を挙げる日だった6月10日に、花嫁だけが密かに入れ替わり、予定通り執り行われることになった。
結婚に際しては、戸籍の問題など、沢山の問題があったが、それは多村に任せ、亮輔は自分の身の回りの準備だけに専念していた。
そんな、ある日、亮輔が住むマンションに意外な来客があった。
「か、母ちゃん!! 一体どうしたんだよ!?」
母親の美沙子が訪ねてきたのだ。
「元気そうだね。ここに来るのに散々迷っちゃったよ。」
「ちょっと… なんでここがわかったんだよ!?」
「あんたの旦那さんになる多村さんから連絡をいただいてね。色々大変みたいだから、手伝ってやってくれって言われたんだよ。」
「あの人が…」
「お前も女になって、まだまだ日が浅いから 、わからないことだらけだろうと思ってね。」
美沙子は何泊かするつもりで来たことを予想させる、大きなボストンバックを下に置いて笑った。
「じゃあ… よろしく頼むよ…」
亮輔は本心では母の訪問が嬉しかったが、やはり何となく照れくさく、ぶっきらぼうな言い方で返事した。
「そんなことより、あんた、来月結婚するっていうのに、なんで連絡して来なかったんだい!?」
「だって… 言いにくいに決まってんじゃん…男として生まれてるのに、性転換して女になって、男性と結婚するなんて…
やっぱ、言えないって。」
「亮輔らお父さんも私もそれは認めてるって言ったじゃない。
どんな姿になっても亮輔は亮輔なんだよ。
他人様に迷惑さえかけなければ、堂々としていていいんだよ。」
美沙子が笑って言うと
「うん… ありがとう…」
亮輔は俯きながら、小さな声で返事した。
「さて、とりあえず、持ってきた荷物を片付けさせてもらうよ。」
美沙子は鞄の中からお土産を出しながら、キョロキョロ周りを見渡した。
「あ、それは、ここに置いといて。
ところでさあ、何日も家を留守にして大丈夫なの?」
「そんなことは心配しなくていいの。
お父さんも、行ってきてやれって、快く送り出してくれたもの。」
亮輔はそんな母親の存在を有り難く思った。
女になってみて、尚更強く…
結婚に際しては、戸籍の問題など、沢山の問題があったが、それは多村に任せ、亮輔は自分の身の回りの準備だけに専念していた。
そんな、ある日、亮輔が住むマンションに意外な来客があった。
「か、母ちゃん!! 一体どうしたんだよ!?」
母親の美沙子が訪ねてきたのだ。
「元気そうだね。ここに来るのに散々迷っちゃったよ。」
「ちょっと… なんでここがわかったんだよ!?」
「あんたの旦那さんになる多村さんから連絡をいただいてね。色々大変みたいだから、手伝ってやってくれって言われたんだよ。」
「あの人が…」
「お前も女になって、まだまだ日が浅いから 、わからないことだらけだろうと思ってね。」
美沙子は何泊かするつもりで来たことを予想させる、大きなボストンバックを下に置いて笑った。
「じゃあ… よろしく頼むよ…」
亮輔は本心では母の訪問が嬉しかったが、やはり何となく照れくさく、ぶっきらぼうな言い方で返事した。
「そんなことより、あんた、来月結婚するっていうのに、なんで連絡して来なかったんだい!?」
「だって… 言いにくいに決まってんじゃん…男として生まれてるのに、性転換して女になって、男性と結婚するなんて…
やっぱ、言えないって。」
「亮輔らお父さんも私もそれは認めてるって言ったじゃない。
どんな姿になっても亮輔は亮輔なんだよ。
他人様に迷惑さえかけなければ、堂々としていていいんだよ。」
美沙子が笑って言うと
「うん… ありがとう…」
亮輔は俯きながら、小さな声で返事した。
「さて、とりあえず、持ってきた荷物を片付けさせてもらうよ。」
美沙子は鞄の中からお土産を出しながら、キョロキョロ周りを見渡した。
「あ、それは、ここに置いといて。
ところでさあ、何日も家を留守にして大丈夫なの?」
「そんなことは心配しなくていいの。
お父さんも、行ってきてやれって、快く送り出してくれたもの。」
亮輔はそんな母親の存在を有り難く思った。
女になってみて、尚更強く…
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