ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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寛ぎ

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二人は部屋でお茶を飲みながら 
のんびりとした時間をすごしていた。 

「ホント素敵なところね。まさか、亮輔と二人でこんなところに来れるとは思ってもみなかったよ。有り難いことだよ。」 

美沙子は窓から見える景色を見ながら、また感謝の言葉を並べた。 

「そうだね。私もまさか母ちゃんとこんな感じで旅行に来れるとは全然思ってなかった。」 

亮輔は母親の前でも、自分の事を『私』と言うようになっていたが 

それについてはお互いにストレスを感じることなく受け入れられたので、ごく自然にそうなった。 

「亮輔、良い旦那さんに巡り会えたねえ。どこで知り合ったんだい?」 


「うん。私がいた組…じゃなくて、会社の社長でね。」 

「あんた、ニューハーフになる前は会社勤めしてたのかい?」 

「あ、うん。そのときは、まさか自分がこんな風になるとは思ってもみなかったんだけど… 気がついたら、あの人を好きになってて… 女になることを決めたの。」 

かなりの脚色があったが、まあ、これくらいの内容が妥当なところだろうと、亮輔は妙に納得しながら、美沙子に話した。 

「そうだったの。でも、亮輔、この前帰ってきたときよりも、さらに女の子っぽくなってるね。母さんびっくりしちゃったよ。」 

「私も手術でここまで出来るとは思わなかったよ。」 

「男の部分なんて、全く無いもの。名前はどうするんだい?」 

「うん。 せっかく死んだ父ちゃんに付けてもらった名前だけど、この姿で『亮輔』じゃあ色々と問題があってね。改名はするつもりだよ。」 

「うん。それがいいよ。」 

美沙子はお茶を机に置いて何度も頷いた。 

「母ちゃん、晩御飯までまだ時間あるみたいだから、温泉に入っちゃう?一回目の。」 

亮輔が言うと 

「そうだねえ、じゃあ入らせてもらっちゃおうか。」 

美沙子もまた頷いた。 

「母ちゃんと一緒に風呂に入るの、一体いつ以来なんだろ…」 

「あんたは嫌がるのが早かったからねえ、親と入るの。多分、小学校の低学年以来だよ。」 

二人は笑いながら入浴の準備をした。
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