ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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氷解

温泉を堪能した二人は、部屋でまたお喋りをしてすごした。 

「亮輔、あんたすっぴんでも肌がすごくきれいだし、可愛いわね。」 

「これも天然じゃないから。言うなれば養殖みたいなもんね。」 

亮輔は笑って答えた。 

「ううん。すごくきれいよ 

これだけ可愛いかったら、多村さんも大事にしてくれるわね。」 

「あの人はそんな人じゃないよ。私の事をいつも大事にしてくれてるから。」 

「これは失礼しました。」 

美沙子は、思わぬ亮輔ののろけに吹き出して笑った。 

「母ちゃん… 私が性転換しちゃったことを 
内心許してくれてないのかなって思って 
結婚する事も言えなかったんだけど… 
やっぱり、式には二人で出てほしいよ。」 

「母さんは喜んで出席させてもらうけど、お父さんもかい?」 

「うん。私の一番の反抗期にあの人と母ちゃんが一緒になったもんだからさあ、私ったら荒れ狂っちゃって、かなりヒドい事も言って傷つけたりしたけど、今はあのときのことを思い出して、後悔ばっかりしてるの。 
それなのに文句一つ言わず、この前帰ったときも優しく受け入れてくれて… 
だからちゃんとお父さんて呼んであのときのことを謝りたいし、お礼も言いたいの。」 

亮輔がそう言うと、美沙子はポロポロと涙を流し始めた。 

「亮輔… ありがとうね。母さん…ホントに嬉しいよ。お父さんもすごく喜んでくれるわ…」 

美沙子の涙を見て、亮輔も泣き出した。 

「もう… 泣かないでよぉ。私も泣いちゃうじゃない… 女性ホルモンのせいで涙もろくなってるんだからあ…」 

そして、お互いに泣きながら笑い合った。 


亮輔は、自分がどれだけ親不孝をしてきたかを思い知り、涙が止まらなくなってしまった。 

「ね。性転換したことは親不孝じゃないでしょ? こうして、幸せになるきっかけを作ってくれたじゃない。」 

「うん…」 

亮輔はまた顔を押さえて泣き出した。
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