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深慮
激しい情事を終え、多村は一息ついて、タバコをくゆらした。
「あなた… ここのところ、お仕事忙しかったんでしょ? マッサージでもしましょうか?」
亮輔が体を気遣うように言うと、多村は首を横に振った。
「亮輔、前々から言おうと思ってたんだが、そろそろ敬語使うのやめろや。俺達は結婚するんだぞ。おかしいだろよ。」
「あ、ごめんなさい。昔の癖が全然抜けなくて…」
「セックスのときは、敬語なんか使わねえくせに。」
多村はタバコを消しながら笑って言った。
「あのときは、わけがわかんなくなっちゃうの…」
亮輔は顔を真っ赤にして首を竦めた。
「まあ、そういうことだ。結婚するまでにはその癖を直せよ。」
「あなた… その結婚の事なんだけど…」
「どうした?」
「私、本当にあなたと結婚してもいいんでしょうか?」
「なんだよ、急に…」
「最近思うんです。こうして一緒に暮らすだけならいいんですけど、やっぱり結婚となると、色々と問題あるなって…」
「今更何を言ってる?」
「だって、私はどんなにあがいても本物の女にはなれないんですよ。
こんなのと一緒になったら、あなたが世間から何て言われるか… それを考えると、私辛くて…」
「怒るぞ亮輔!世間なんて関係ない。俺はお前を愛してるから結婚するんだ。
それに、お前は正真正銘の女だよ。」
「ありがとうございます… でも、戸籍の変更だって、私みたいなパターンはなかなか出来ないって…」
「亮輔、俺達の仕事を忘れたか? 法律なんてもんはな、カタギの人間が守るためのものであって、俺達極道にとっては、それを悪用したりすり抜けたりして、金に結びつける道具にすぎない。
だから、何も心配しなくていい。とにかく俺に任せておけ。
近いうちに、お前は正式に女になる。
そしたら、男と女の普通の結婚だ。世間の目なんて気にしなくてもよくなるだろ?」
「そうなれたら… 嬉しいです。」
「さあ、こんな時間だ。寝るぞ。」
多村は亮輔の頭を撫でてベッドに潜り込んだ。
亮輔も頷いて、多村の隣にそっと入った。またネガティブになってしまった自分に後悔しながら…
「あなた… ここのところ、お仕事忙しかったんでしょ? マッサージでもしましょうか?」
亮輔が体を気遣うように言うと、多村は首を横に振った。
「亮輔、前々から言おうと思ってたんだが、そろそろ敬語使うのやめろや。俺達は結婚するんだぞ。おかしいだろよ。」
「あ、ごめんなさい。昔の癖が全然抜けなくて…」
「セックスのときは、敬語なんか使わねえくせに。」
多村はタバコを消しながら笑って言った。
「あのときは、わけがわかんなくなっちゃうの…」
亮輔は顔を真っ赤にして首を竦めた。
「まあ、そういうことだ。結婚するまでにはその癖を直せよ。」
「あなた… その結婚の事なんだけど…」
「どうした?」
「私、本当にあなたと結婚してもいいんでしょうか?」
「なんだよ、急に…」
「最近思うんです。こうして一緒に暮らすだけならいいんですけど、やっぱり結婚となると、色々と問題あるなって…」
「今更何を言ってる?」
「だって、私はどんなにあがいても本物の女にはなれないんですよ。
こんなのと一緒になったら、あなたが世間から何て言われるか… それを考えると、私辛くて…」
「怒るぞ亮輔!世間なんて関係ない。俺はお前を愛してるから結婚するんだ。
それに、お前は正真正銘の女だよ。」
「ありがとうございます… でも、戸籍の変更だって、私みたいなパターンはなかなか出来ないって…」
「亮輔、俺達の仕事を忘れたか? 法律なんてもんはな、カタギの人間が守るためのものであって、俺達極道にとっては、それを悪用したりすり抜けたりして、金に結びつける道具にすぎない。
だから、何も心配しなくていい。とにかく俺に任せておけ。
近いうちに、お前は正式に女になる。
そしたら、男と女の普通の結婚だ。世間の目なんて気にしなくてもよくなるだろ?」
「そうなれたら… 嬉しいです。」
「さあ、こんな時間だ。寝るぞ。」
多村は亮輔の頭を撫でてベッドに潜り込んだ。
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