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新田薫編
top secret
多喜の誠実な性格と薫への真っ直ぐな愛情は、薫がネガティブな考えに陥る事を防ぎ、前向きな恋愛が出来る環境に導いてくれた。
どうしても、自分が男だという引け目が常に付き纏うのは仕方なかったが、多喜を信じて、もう迷わずに生きようと思わせた。
二人とも隠し事などをせず、素直な気持ちで接していたが、一つだけ、話せずにいた事があった。
それは、薫が沢木組の元構成員で、多喜が多村組の組員であるという事実だった。
心の内を全てさらけ出す二人も、この事だけは何となく言えず、いや、言わなくてもいい、という考えのもと、敢えて触れなかった。
この判断が、二人の将来にどのような影響を及ぼすか、この時点では誰にもわからない問題であった。
こういうとき、得てして、思わぬ角度から状況が動くものだと、二人共、薄々感じてはいたが‥
それでも、多喜と薫の相性は、本人達が驚くほど良く、会えば会うほど好きになり、頭の中は互いの事ばかりになっていった。
「マイちゃん」
「どうしたの?店長」
「彼女へのプレゼントって何が良いのかなあ。」
多喜は仕事中も店のキャバ嬢に質問して、低すぎる己の恋愛スキルを上げようと努力した。
「店長、彼女出来たんやあ
よかったやん」
「うん。よかったよ。」
「歳は?」
「俺より一個下、二十代前半なんだけど」
「まあ、どれくらいの仲によるかで、また変わってくるしなあ」
「うーん、どれくらいの仲って言われてもなあ。
でも、将来的には結婚しようと思ってる。」
「ウソっ
大丈夫?、店長だけ盛り上がって、その気になってるだけとちゃうん?」
「えーっ、そうなんかなあ。
相手も同じように思ってくれると思うんだけど」
多喜は少し赤面しながら、そう言った。
「それやったら、指輪でも買ってプロポーズしたらええねん。
結婚したいんやろ?
受けてくれたら、それはそれでオッケーだし、あかんかったら、諦めもつくやん。」
「あ、そうだね。
さすがだなあ。そうするわ」
「アカン、この人本気にしてるわ。
嫌われんように上手いことやりや。」
出会ってまだそれほど経っていないのに、多喜の想いと行動は、どんどん先へ先へと進んでいった。
どうしても、自分が男だという引け目が常に付き纏うのは仕方なかったが、多喜を信じて、もう迷わずに生きようと思わせた。
二人とも隠し事などをせず、素直な気持ちで接していたが、一つだけ、話せずにいた事があった。
それは、薫が沢木組の元構成員で、多喜が多村組の組員であるという事実だった。
心の内を全てさらけ出す二人も、この事だけは何となく言えず、いや、言わなくてもいい、という考えのもと、敢えて触れなかった。
この判断が、二人の将来にどのような影響を及ぼすか、この時点では誰にもわからない問題であった。
こういうとき、得てして、思わぬ角度から状況が動くものだと、二人共、薄々感じてはいたが‥
それでも、多喜と薫の相性は、本人達が驚くほど良く、会えば会うほど好きになり、頭の中は互いの事ばかりになっていった。
「マイちゃん」
「どうしたの?店長」
「彼女へのプレゼントって何が良いのかなあ。」
多喜は仕事中も店のキャバ嬢に質問して、低すぎる己の恋愛スキルを上げようと努力した。
「店長、彼女出来たんやあ
よかったやん」
「うん。よかったよ。」
「歳は?」
「俺より一個下、二十代前半なんだけど」
「まあ、どれくらいの仲によるかで、また変わってくるしなあ」
「うーん、どれくらいの仲って言われてもなあ。
でも、将来的には結婚しようと思ってる。」
「ウソっ
大丈夫?、店長だけ盛り上がって、その気になってるだけとちゃうん?」
「えーっ、そうなんかなあ。
相手も同じように思ってくれると思うんだけど」
多喜は少し赤面しながら、そう言った。
「それやったら、指輪でも買ってプロポーズしたらええねん。
結婚したいんやろ?
受けてくれたら、それはそれでオッケーだし、あかんかったら、諦めもつくやん。」
「あ、そうだね。
さすがだなあ。そうするわ」
「アカン、この人本気にしてるわ。
嫌われんように上手いことやりや。」
出会ってまだそれほど経っていないのに、多喜の想いと行動は、どんどん先へ先へと進んでいった。
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