ニューハーフ極道ZERO

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鹵獲編

迅雷

多村は、その日、立正会の会合に出席し、帰りは夜遅くになる事がわかっていた。

つまり、チャンスはこの日しかなかったのだ。

亮輔は綾香に電話を入れた。

「もしもし」

「亮ちゃん!」

「綾香、あの人は今日は遅くになるまで帰ってこないから安心して。」

「うん。ちゃんと連絡くれたんだね。

嬉しいよ。」

「そっちは大丈夫なの?」

「大丈夫だよ。最近は沢木の人も来ないし、私も好きに外出出来てるからね。」

「そうなんだ。」

「亮ちゃん、例の先生に話は通してあるから安心して。」

「うん‥あれから色々考えたんだけど、話だけでも聞いてみる価値はあるかなって‥」

「ありがとうね、亮ちゃん
これから車で迎えに行くから、OPAの裏側で待っててよ。
じゃあ、三十分後にね。」

綾香はそう言って電話を切った。

亮輔は覚悟を決め、待ち合わせ場所に足を運んだ。

「亮ちゃん!」

停車していた赤い車の窓が下がり、綾香が声をかけてきた。

「あっ、綾香」

「早く乗って」

亮輔は、綾香に促され、急いで車に飛び乗った。

「久しぶりだね!
私の顔にされてる亮ちゃんにこんな事言うのはなんだけど、一段とキレイになったよね。」

「うーん、どうかな
でも、ありがとう。
綾香も相変わらずの美人だよ、ワタシと違ってナチュラルのね。」

「よく決断してくれたね、亮ちゃん」

「正直言って、そこまでの覚悟は出来てないんだけどね。」

「そうよね。でも、先生の話聞いたら、不安は吹っ飛ぶと思うよ。

もう少しで着くからね。」

三十分ほど車を北に走らせ、小さな病院のような建物の前に車を停めると、綾香はエンジンを切った。

「亮ちゃん、ここよ。」

「何、ここ?
病院みたいだけど‥」

「建物はそうだけど、先生が一人で研究してるだけだから、表の扉は鍵がかかってるわ。

裏口に回りましょ。」

建物の裏に回り、インターホンを押すと、暫くして

「はい」

と、いう声が聞こえてきた。

「先生、私です、麗華です。

お話をしていたお友達を連れてきました。」

「あー、ちょっと待ってね」

それから暫く待っていると、裏口のドアがガチャッという音と共に開かれた。

中から出てきたのは四十代くらいの細身の男で、眼鏡をかけていて、髪はボサボサ、イマイチ冴えない感じだった。 

「ほう、話には聞いてたけど、ホントよく似てるな。
日本の美容整形のレベルは素晴らしいよ。

まあ、入りたまえ。」

二人は建物の二階に案内された。

そこは診察室として使用していたと思われる雰囲気で、設備もそれなりに揃っている。

亮輔が前、綾香が少し後ろに腰掛け、互いの自己紹介を始めた。

「先生、この人が、私の話していた松山亮輔さん」

「松山です。よろしくお願いします。」

「後藤です。
麗華ちゃんとは、ミナミのキャバで知り合ってからの仲でね。」

「先生、今日来たのは、この亮輔さんのアソコの再生をして欲しいんです。」

綾香は早速本題に入った。

「まあまあ、そんなに焦りなさんな。
これから、ちゃんと説明するから。」

後藤は、パソコンで何やら入力しながら、説明を始めた。
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