ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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代理戦争編

嵐の前

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シリコン摘出手術を終えた亮輔は、少し休んだ後、後藤の病院に戻ってきた。
病院の前には既に多喜と薫も到着していた。

「多喜君、シリコンの摘出は無事に終わったわ。これから男に戻してもらうから。頼んだわよ後藤先生」

「ああ、わかってる。
今から準備するから、君たちはここで待ってて。」

後藤は待合室のようなところに3人を案内すると、奥に消えていった。

既に亮輔は診察室に入っており、後は注射を打ってもらうだけの状態になっていた。

待合室で綾香は多喜と薫に流れを説明した。

「今から先生に注射をしてもらって、数時間安静にした後、ここを脱出するわ。」

「数時間てどれくらいですか?」

多喜は腕時計を見つめながら、落ち着かない様子で言った。

「えっと、たしか3時間て言ってたかな」

「3時間か、それまで気付かれずにやり過ごせるのか」

多喜は、今度はカーテンを少し開け、窓の外を見つめながら早口で言った。

「真ちゃん、時間が来るまで凌がなきゃなんないんだし、ワタシは裏口を見張ってくるね。」

目深にキャップを被った薫は部屋を出て行った。

「多喜君の彼女、綺麗な人ね。」

綾香は薫の後ろ姿を見つめながら呟く様に言った。

「ええ。自分には勿体ないくらいのいい女です。
何があっても幸せにしたいです。」

多喜は惚気ることなく、堂々と言ってのけた。

「素敵ね。お似合いだわ。」

「姐さん、いや、綾香さんと亮輔もお似合いだと思います。
幸せになって下さい。」

「うん。ありがとう。
こんなチャンスが訪れるなんて思ってもみなかったから、絶対に手離さないわ。」

「たしかに。猜疑心が強いオヤジを出し抜くなんて不可能だと思ってましたし、まさか病気になるなんて…

病気か…」


「ん?どうしたの。」

「いえ、自分の思い過ごしです。
それよりも、多村組よりも沢木組が先に気づいて動き出すはずです。
そっちも警戒しないと。」

多喜は言い得ぬ恐怖と疑問を感じながら耐え難い時間の中をすごしていた。

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