ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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代理戦争編

擬態

「麗華ちゃんの頼みとはいえ、まあ無茶な事を」


後藤は亮輔と綾香を招き入れると、呆れたような口調で言った。

「ごめんね。でも、事は急を要するのよ」

綾香は顔の前で手を合わせて後藤に懇願した。

「しゃあないなあ。とりあえず、今から知り合いの医者のところに行くよ。」

「えっ?」

「その胸のシリコンを出さないとダメじゃん。
ウチにはオペの設備も道具も無いし、勿論外科の医師免許も持ち合わせてない。」

「そうですね。でも、その知り合いの先生は信用出来るんですか?」

亮輔が心配になって聞くと、後藤は眼鏡の中央を中指で上げて頷いた。

「腕は確かさ。ただ、モグリだけどね。」

「モグリ…」

「まあ、その辺は安心して大丈夫。」


後藤は亮輔の運転する車に乗り込み、後部座席から道案内をした。

車を走らせること15分、繁華街の片隅の雑居ビルの5階に、目当ての病院はあった。

勿論看板など一切出ていない。

電気も点いておらず、外から見れば廃墟にすら見える。

後藤が携帯で話をすると、しばらくしてドアの鍵が開けられた。

「いらっしゃい」

開いたドアから、年齢にして50くらいのボサボサ頭の冴えない風貌の男が顔を出した。

「山ちゃん、この人らが電話で話した例の」

「あー、ハイハイ
二人とも美人だねー、ほぼ同じ顔してるけど。
で、どっちの娘?」

「ワタシです。」

亮輔は身を乗り出して言った。

「あ、自己紹介してなかったね。
山本です。モグリの医師で、あなた達みたいな訳アリな人達を相手に、通常より少しだけ高めの料金設定で運営させていただいております。

よし、時間がないんだったよね?早速始めるかね」

「あ、はい…」

「なあに、心配は要らんよ。
シリコンの除去なんて別に珍しいもんじゃないしね。

こういうのの寿命ってだいたい10年ていわれてるんだよ。
だから、一生体の中に入れとくもんでもないし、入れ替えたりする手術はごくごく当たり前のもんなんだ。」

山本は豪快に笑うと、亮輔を奥の診察室に案内した。


それを見守る綾香と後藤

「亮ちゃん、大丈夫かなあ…」

心配する綾香の肩に手をそっと置いた後藤は

「どちらにしてもシリコン取らないとダメだし、後は山ちゃんに任せて、我々はここで待とう」

と、言ってソファに腰掛けた。



診察室には、手術台なども揃っており、山本は亮輔を寝かせ、準備に取り掛かった。

「シリコンの中身が破裂して体内に流れ出て感染症を起こしたりすると厄介で、全身麻酔は必須になってくるんだが、そういう心配もないし、局所麻酔でオペを行うよ。

しばらく休んだら、すぐに後藤さんのところに戻らなきゃなんないしね。」


「はい。すみません…」

不安げに天井を見つめる亮輔だった。
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