ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

文字の大きさ
159 / 409
代理戦争編

but bad

新幹線に乗り込んだ亮輔と綾香は、少しだけホッとした気持ちになり、呼吸を整えた。

だが、亮輔は多喜からの電話、メール、LINEがいつ来るかもわからないので、スマホの画面を凝視したままの状態でいた。

新幹線は新神戸を越え、姫路を通過しようとしていたが、多喜からの連絡が入る事はなかった。

焦りを見せる亮輔だったが、次の瞬間Xの見出しがスマホの画面の上部に映し出されたのを見つけ、身を乗り出した。

慌ててXを開くと、個人が貼り付けたニュースが出てきたのである。

「白昼の大阪で暴力団同士が発砲。
一人が死亡、一人が意識不明の重体、もう一人は現場から逃走中。」

亮輔はニュース速報を綾香に見せた。


「亮ちゃん、これって、多喜さんと赤石のことだよね?」 


「うん。ニュース速報を貼ったやつみたいだから、詳しくは書いてないけど…
多喜はきっと大丈夫よ
綾香は自分の身を守る事だけを考えて。」

亮輔は綾香の手を取り自分に言い聞かせるように言った。


50分足らずで新幹線は岡山に着き、亮輔と綾香は早足で在来線改札を抜け、6番線のホームに降り立った。

「亮ちゃん、こっちこっち」

綾香は亮輔を手招きして誘導し、特急しおかぜに乗り込んだ。


列車が出発すると、綾香は周りをきょろきょろと見回しながら

「さすがにここまでは追ってこないわよね?」

と、少し緊張した面持ちで言った。


「そうね、多分…

綾香、向こうに着いたらこの薬を飲んで男に戻るから。」


「うん。
いよいよね、亮ちゃんとの夢にまでみた二人だけの生活が始まると思うと、ワクワクが止まんないわ」


「綾香、悪いけど、男に戻ったら大阪に戻るから」


「えっ」


「多喜や薫さんを助けなきゃならないし…
あの人…いや、多村組長への落とし前はきっちりつけさせてもらうわ。」


「亮ちゃん…」


「大丈夫よ、綾香

それさえ片付けたら、綾香の元に戻るから

今度こそ、二人で静かなところで暮らそうよ」



「うん。

亮ちゃん、くれぐれも無茶な事だけはしないでね。

じゃないと…ワタシ、生きていけなくなるから」 

綾香は隣に座る亮輔の手を握りしめながら言った。
感想 1

あなたにおすすめの小説

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

世界の終わりにキミと

フロイライン
エッセイ・ノンフィクション
毎日を惰性で生きる桐野渚は、高級クラブの黒服を生業としていた。 そんなある日、驚くほどの美女ヒカルが入店してくる。 しかし、ヒカルは影のある女性で、彼女の見た目と内面のギャップに、いつしか桐野は惹かれていくが…

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

兄になった姉

廣瀬純七
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

交換した性別

廣瀬純七
ファンタジー
幼い頃に魔法で性別を交換した男女の話