ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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代理戦争編

悔恨

多喜の名前が出た瞬間、少し薫に反応があったが、それ以上の動きはなく、意識があるのかないのか、よくわからない状態が続いた。

大西と亮輔は部屋を出て、少し藤井と話をした。


「先生、かなり酷い状況ですけど、快方に向かうんでしょうか」

大西の問いに藤井は首を横に振った。


「先ほども申し上げましたが、現状では先ずは生命の維持を優先せざるを得ません。
それほど危険な状態なんです。

今後命の別状がない状況まで回復したとしても、薬物中毒による後遺症は一生付き纏います。

特に脳へのダメージは計り知れず、何年経っても幻覚、妄想が消えず、何に対しても関心を示さなくなる無動機症候群や認知症のような症状が出るのは免れないでしょう。
覚醒剤により、脳の神経細胞のネットワークが機能しなくなっている…つまり神経細胞が死滅しているのですから、当然と言えば当然です。」


「…」

亮輔は自身が巻き込み、このようになった自責の念に駆られ、言葉が出てこなかった。


病院を出ても、亮輔は殆ど喋ろうとせず、大西を心配させた。


「亮輔、お前のせいじゃねえよ。

全てはオヤジの残虐性がもたらしたものだ。
俺達で、これ以上の被害が出ねえようにオヤジを止めよう。」

「はい…」


「よし、俺達はここにいても仕方ねえ。
大阪に入って策を練ろう。」


「大阪の何処へ?」


「弁天町に垂水組が実質的に経営するダミー会社がある。

そこでこれからどう動くか、考えるんだ。
沢木の連中も来ているはずだ。」


「沢木組も、ですか…」


亮輔は、沢木と聞いて嫌な予感がしたが、取りうる選択肢はこれしかないと諦め、大西の指示に従う事を決めたのだった。
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