ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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代理戦争編

釈放

刑務所前に車を停め、運転手を務めている田坂だけを残して、他の三名は外に出た。


山崎、木村、赤石の三名が四方に目を配るが、今のところ怪しい者はいない。


「見通しのええ道やし、遠方から狙うような場所も建物もありません。」

功太が言うと


「可能性としては、あのコンビニやな。」


山崎は刑務所とは道を挟んで、西に50メートルほど離れたコンビニを指差して言った。


「店の前に駐車出来るスペースが四台分くらいあるやろ?

今は一台も停まってへんが、ひょっとしたらワシらに怪しまれんためにあそこに一旦停めて、そこからタイミングを見計らって急襲っちゅう事もあるかもしれへん。
木村、よう見とけ」


「はい」

木村はコンビニ店のある方に視線を向けた。



「そろそろでんな」


功太が時計を見ながら言うと、山崎は頷き、そして言った。

「ここからやぞ」

と。


皆の顔に一気に緊張感が走ったが、まだ誰もがその予兆のようなものを感じなかった。


皆が四方八方に視線を送る中、重い扉が徐に開いた。

中から、庄山がゆっくりと出てきた。


「オヤジ、お疲れ様です!」


功太は、庄山の背中に手を添え、少し覆い被さるようにして庄山の身を守った。


「おう、みんな
わざわざすまんな」

庄山は三人の顔を見ると、少し口元を緩めて言った。

功太は少し焦りながら、早く車に乗せようと背中を支える手に力を入れた。

「さあ、こちらへ」


庄山が路肩に停めた車に近づく中、木村は山崎に言われた通りコンビニを見つめていた。

山崎は目の前の景色の180°に対し、ぐるっと見渡した。


木村の視線はコンビニの駐車場だったが、怪しい車は停まっておらず、弁当やパンなどを各店に配達する車だけが停車しているだけだった。


「兄貴、コンビニの方は異常ありまへん」


「よし、赤石、早よオヤジを乗せえっ!」

山崎が言うと、赤石は頷き、後部座席のドアを開けた。





その時である。いきなり銃声が聞こえた


バカな…何も怪しいものはなかったはず…


功太は決して遠くない銃声の方向に目を向けた。


(コンビニ?)


いや、コンビニの駐車場には怪しい車はなかった…

いや、違う…

襲撃してきたのは、コンビニの前に停車していた配達用のトラックからであった。


(しまった!アレはアイツらの用意した…)

功太は多喜に撃たれて負傷している為、片手しか使えない。
しかし、その片手は庄山を守るために背中に添えられている。

銃声を聞きつけた機動隊の隊員たちが盾を持って刑務所内から出てきて、こちらに駆け寄って来るのが見えた。


しかし、トラックの中から複数の人間が発砲していると見られ、その銃声は何発も聞こえた。

「田坂、かまへん!

車出せっ!」


庄山が後部座席に乗ったのを確認した山崎は、大声で田坂に指示を出した。

田坂は大慌てで車を急発進させた。
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