ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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代理戦争編

愚策

車が走り去り、山崎と功太、木村は丸裸状態で銃口の的になってしまった。


だが、機動隊員達は盾を翳しながらトラックに急接近した。

警察も緊急出動したらしく、パトカーのサイレンも聞こえてきた。


トラックにいた狙撃犯は三名、構わず無数の弾丸をこちらに浴びせながら、迎えの車に乗ってそこを立ち去っていった。



「赤石、木村
怪我はないか?」


「はい、なんとか…」


木村は真っ青な顔をして言ったが、功太は顔を紅潮させ


「アニキ、今のはホンマに死んだと思いましたで。

なんでこっちだけ丸腰状態にならなあきませんねん。」



「それが現代の抗争の形や。

俺らが無防備でいる事を条件に、警察が守ってくれてんねん。

もし、銃でも持ってて応戦でもしてみい、真っ先にこっちが警察に引っ張られてまうわ。」


「まあ、そらそうでっけど…

あまりにもリスクが高いっちゅうねん」



「怪我はありませんか」


三人に警察関係者らしき男が近付いてきて、心配そうに聞いてきた。

「おかげさまで、なんとか…

逃げた奴らは捕まえられそうでっか」


「この辺りを封鎖して検問所を設けました。

捕まるのも時間の問題でしょう。」


「アイツら外人部隊がそんな正攻法の網に引っ掛かりまっしゃろか」


「どういう事です?」


「いや、ワシらもそろそろ組に戻ります。
オヤジが心配なもんで。


おい、赤石
タクシー呼べや」


「わかりました。」


功太はスマホを取り出し、タクシーを手配した。






その頃、多村は、キムの失敗を聞かされ激昂していた。

「失敗しただと!

キムのヤツも存外情けねえ…」


「それでも、多村はん
大阪の街中で、あんな銃撃戦をよくもまあ繰り広げられたもんですなあ。」

三宅組の白石は、半ば呆れたように言った。


「まあ、しくじったもんはしょうがねえ。

今度は俺が狙われる番になったわけだ。
ただ、沢木が同じ土俵に立って、ウチと抗争する根性はねえだろうがな。」


「垂水組が抑制してるから、仕返しはしてこないとは思いまっけど、ヤクザなんてもんはメンツで飯食ってるようなもんですから、無抵抗で終わるとは思えまへん。」


「ああ、そうだな。
俺も当分身を隠すしかあるまい。

多喜」


多村は傍で寝ている多喜に声をかけた。


「多喜、お前にもまだ働いてもらわなければならない。

早く傷を治す事だな。」


「…」


多村は、何も返事をしない多喜を見つめて言ったが、すぐに立ち上がり、部下を連れて出て行った。
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