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新章〜新たなる潮流〜
PRIDE
「おはようございます、若」
若と呼ばれた組事務所に現れた男は、精悍にして色男と呼んでもいいくらいの容姿をしていた。
男の名前は、岡田 優磨
日本最大の広域暴力団、垂水組を束ねる本家の若き組長であった。
優磨は、昨年、病気がちだった六代目の父の後を継ぐ為に、大学のときからずっと住んでいたアメリカを離れ、実家の神戸に戻ってきた。
年齢は33で独身。
幼い時から勉強がよく出来て、十代の頃から留学の為に行ったアメリカに住み、向こうで仕事も見つけて働いていた。
MBAも取得していた事もあり、誰もがヤクザにはならないと思っていた。
しかし、皆の思いに反し、優磨はあっさりとアメリカでの生活を捨てて帰ってきたのだ。
組事務所にある自分のデスクにどかっと腰掛けた優磨は、パソコンを開き、何通かのメールを見ていたが、近くにいた若頭の佐々木哲也に
「佐々木さん
神頭会と一般市民がミナミで揉めたってあるが、これ、何?」
と、質問した。
「はい。
なんでも、道を歩いてて揉めたらしく…」
「おいおい、そんな昔のヤクザみたいな事してどうすんだよ。
困るんだよなあ、そういう事されると」
「管理が行き届いておらず、すいません」
「まあ、佐々木さんに言ってもしゃあないんだけど」
「詳細については鷹村先生が若に直接ご説明したいと言うてます。
いつでも、リモートで繋いで欲しいと。」
「わかった。
話を聞いてみるよ。」
優磨は、パソコンを操作し、鷹村にアクセスした。
暫くの間があって、画面が開き、鷹村の姿が映し出された。
「鷹村先生、おはようございます。」
「おはようございます
社長」
「神頭会の件で、先生にもご迷惑をかけたみたいで、すみません。」
「いやいや、それが私の仕事ですから。」
「状況がよくわからんのですけど、詳しいことをお聞きしてもいいですか?」
「なあに、簡単な話ですよ。
神頭会の若い衆三名が酔って歩いてるところに、通りかかった大学生三名と些細な事からケンカになった。
ただ、それだけのことです。」
「いや、でも
一般市民にケガさせたっていう報告が上がってますが…」
「たしかに、大学生三人のうち二人が神頭会の三人に暴行を加えられ、負傷し、病院に搬送されました。
幸いケガは大したことありませんでしたが…」
「それはマズイなあ。」
「二人には私の方で謝罪を入れ、示談が成立していますのでご心配なく」
「そうですか。
ありがとうございます。」
「ただね…」
画面越しに鷹村の顔色が曇るのを優磨は見逃さなかった。
「どうしたんですか?
鷹村先生」
優磨に問いかけられた鷹村は、溜め息を一つついて、ゆっくりと話し始めた。
若と呼ばれた組事務所に現れた男は、精悍にして色男と呼んでもいいくらいの容姿をしていた。
男の名前は、岡田 優磨
日本最大の広域暴力団、垂水組を束ねる本家の若き組長であった。
優磨は、昨年、病気がちだった六代目の父の後を継ぐ為に、大学のときからずっと住んでいたアメリカを離れ、実家の神戸に戻ってきた。
年齢は33で独身。
幼い時から勉強がよく出来て、十代の頃から留学の為に行ったアメリカに住み、向こうで仕事も見つけて働いていた。
MBAも取得していた事もあり、誰もがヤクザにはならないと思っていた。
しかし、皆の思いに反し、優磨はあっさりとアメリカでの生活を捨てて帰ってきたのだ。
組事務所にある自分のデスクにどかっと腰掛けた優磨は、パソコンを開き、何通かのメールを見ていたが、近くにいた若頭の佐々木哲也に
「佐々木さん
神頭会と一般市民がミナミで揉めたってあるが、これ、何?」
と、質問した。
「はい。
なんでも、道を歩いてて揉めたらしく…」
「おいおい、そんな昔のヤクザみたいな事してどうすんだよ。
困るんだよなあ、そういう事されると」
「管理が行き届いておらず、すいません」
「まあ、佐々木さんに言ってもしゃあないんだけど」
「詳細については鷹村先生が若に直接ご説明したいと言うてます。
いつでも、リモートで繋いで欲しいと。」
「わかった。
話を聞いてみるよ。」
優磨は、パソコンを操作し、鷹村にアクセスした。
暫くの間があって、画面が開き、鷹村の姿が映し出された。
「鷹村先生、おはようございます。」
「おはようございます
社長」
「神頭会の件で、先生にもご迷惑をかけたみたいで、すみません。」
「いやいや、それが私の仕事ですから。」
「状況がよくわからんのですけど、詳しいことをお聞きしてもいいですか?」
「なあに、簡単な話ですよ。
神頭会の若い衆三名が酔って歩いてるところに、通りかかった大学生三名と些細な事からケンカになった。
ただ、それだけのことです。」
「いや、でも
一般市民にケガさせたっていう報告が上がってますが…」
「たしかに、大学生三人のうち二人が神頭会の三人に暴行を加えられ、負傷し、病院に搬送されました。
幸いケガは大したことありませんでしたが…」
「それはマズイなあ。」
「二人には私の方で謝罪を入れ、示談が成立していますのでご心配なく」
「そうですか。
ありがとうございます。」
「ただね…」
画面越しに鷹村の顔色が曇るのを優磨は見逃さなかった。
「どうしたんですか?
鷹村先生」
優磨に問いかけられた鷹村は、溜め息を一つついて、ゆっくりと話し始めた。
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