ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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新章〜新たなる潮流〜

新世界

午後五時

キャシーは未来から受け取った履歴書に目を通し、そして、未来の顔を見つめた。


未来は緊張気味にキャシーの一挙手一投足を見つめていたが、すぐにキャシーが口を開いた。

「うん。

で、いつから来れる?」

「big」のキャストの面接に来ていた未来は、会って僅か二分ほどでの合格決定に、面食らって、思わず聞き直した。


「あの、それって採用って思ってもいいんでしょうか。」


「いいわよ。
逆にこちらがスカウトしたいくらいよ。」


「ありがとうございます。
明日からでも大丈夫です。」


未来はぺこりと頭を下げた。


そのとき、背後を通り過ぎようとした一人の女性がおり、それを見ていたキャシーが声をかけた。


「ちょっと、ユウちゃん
こっちに来て。」


「ママ、おはようございます

面接ですか?」


「そうなのよ。
ちょっと、この子見てよ」

キャシーに言われたユウは、未来の前に来て顔を覗き込んだ。


「あ、めっちゃ可愛いやん」


「でしょ?
化粧もしてないし、服装だってユニセックスっぽいの着てるけど、女物って感じは全然しないのに、女子に見えちゃうでしょ?」


「うんうん。」


「ウチに昔在籍してた薫ちゃんに似ているのよ、この子。」


「あーわかる!

薫さん、ワタシも新人の時にお会いしたことがあるけど、めっちゃ可愛かった。」

未来はそのやり取りをただ見ているしかなかった。

「えっと、筒井さんだったわね」

キャシーは机の履歴書に視線を落としながら言うと、続けて

「じゃあ、明日の五時前にここに入ってくれる?」


「はい。わかりました。」


「筒井さんは今すっぴんだけど、メイクとかは出来るの?」


「いえ、まだ…全然自信ないです。」


「そうなのね。
その辺の事はこっちで教えるから心配しなくていいわ。

あ、そうだ、ユウちゃん」

キャシーは奥に引っ込みかけたユウをまた呼んだ。

「はーい、ママ
何?」


「ここにいる筒井さん…

いや、未来ちゃんね
明日からウチで働いてもらうことになったんだけど、色々と面倒見てあげてくれる?」


「うん、いいよいいよ

この子、めっちゃ可愛いから好き。

こんにちは、未来ちゃん
ユウっていいます。

よろしくね。

よかったら、明日早めに出ておいでよ。一時間くらい。

メイクしてあげるし、店に出る服も用意しておいてあげるから。」


ユウは未来に向かって微笑みかけた。

未来はユウが女性ではなくニューハーフである事が信じられなかった。

あまりにも美しく、声も女性そのものであった。

このユウとの出会いが、未来の運命を大きく変える事になるとは、未来自身、知る由もなく…
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