ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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大阪第二次抗争編

羅針盤

「昨日の午後十一時半過ぎ
宗右衛門町の路上で、神頭会の構成員 堂下智春が何者かによって刺殺される事件が起こりました。

目撃者の話では、犯人はアジア系の外国人だったとの事です。」

午前に開かれた垂水組の緊急幹部会にて、前日に起きた殺人事件について報告が行われた。

「大友が関与している可能性は?」

優磨が質問すると、報告を行っていた垂水組幹部の今永毅が首を横に振った。

「今のところ、そのような証拠は出て来ておりません。」

だが、鷹村は

「なかなか用意周到で、尻尾は出してきてませんが、大友が絡んでいると見て間違いないでしょう。」

「鷹村先生、なぜわかるんですか」


「その昔、多村が雇っていた外人部隊であると、警察も踏んでいるようです。」


「えっ、キムの…」

若頭の佐々木が驚いて鷹村の方を見ると

「警察が持っている外人部隊のリストにいた人物と、目撃証言がかなり酷似しているということです。」

鷹村は表情を変えずに言った。

「と、なると、奴らが満を持して動き始めたと見ていいんですね?」

佐々木の問いに、鷹村は頷いた。

「我々の傘下組織が管轄する土地で、その組織の構成員が殺された。
これには敵の我々に対する明確な意思表示が感じられます。

おそらく、次は沢木が狙われる事でしょう。
そして、大西組も。」

「また抗争か…」

今永がポツリと言うと、鷹村が被せるように言ってきた。

「大阪府警の本部長よりこちらに通達が来ています。
如何なる挑発にも乗ってはならないと。

もし、我々が首を突っ込むのなら、警察は真っ先に若を引っ張る考えでいるとの事です。」

「そんな弱腰見せたら、またあの時と同じ轍を踏むやないか!

警察は何を考えてんねん。
そこまで言うんやったら、大友の方を警察が責任を持って潰すんが先やろが!」


佐々木は怒りをぶちまけた。

しかし、優磨は冷静な面持ちで、皆に通達を出した。

「今、鷹村先生がおっしゃった事は間違いないだろう。

直接的な攻撃、または応戦はしてはならない。

しかし、沢木と大西への後方支援は惜しまずにやってくれ。

いいな?」


「わかりました。
しかし、このままウチが沈黙すると、傘下の組への示しがつきません。

せめて何らかのアクションを起こさん事には…」

佐々木が言うと、優磨は頷き、そして言った。

「ああ。
考えはある」



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