ニューハーフ極道ZERO

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筒井未来〜女子力向上計画編〜

coming-out

未来はユウに紹介された美容室で髪型を変え、さらに女らしい外見となった。
大学へは今も男モードで通学していたが、もはや化粧をしなくても、服装に気をつけていても誤魔化しきれないところまできており、ついに、女装姿で通う決心をした。

昔と違い、性に違和感を持つ生徒に理解を示し、且つそれに該当する者を守る制度を持つ大学も沢山あり、未来が通う大学もその一つに含まれていた。

しかし、未来は国が定めたガイドラインに沿ってホルモン治療を受けているわけではなく、診断書もなかった。
故に、大学には知らせず、自主的に女性の服装で化粧をして登校したのだ。

当然の如く、初日から周囲が大騒ぎとなり、
未来をうんざりさせた。

それでも未来自身の女子力の高さ、ビジュアルの良さが奏功し、男子よりも女子からの関心と羨望を集める結果となり、友達になりたいと近づいてくる者が続出した。

だが、普段から未来を知る同性の友人達はそうはいかなかった。


昼食の時、未来と仲良しの中澤和樹と窪田拓弥が未来の座るテーブルのところまでやってきた。
この二人は、例のヤクザとの喧嘩で怪我をさせられた二人であった。


「おい、未来

俺は聞いてへんぞ」

中澤は未来の向かい側に座った途端に、少し興奮気味に言った。

「聞いてへんて、何を?」

「いや、お前がそんな風になる事をや。
なあ、窪田」


「そうや。
まあ、別にどんなカッコしようが未来の自由やけど、なんていうかビックリしてもーたっていうか。」

窪田も中澤に同調した。

「自分の事を二人に内緒にしてたのは悪いと思ってるよ。」

未来は、幼少期からの自分の性自認と、それに纏わる親との関係などを二人に話をした。

中澤も窪田も親友だけあって、未来の説明に納得し、すぐに理解を示した。

「わかったよ。
未来も苦しかったんやな。

女になろうが何になろうが俺らが友達な事は変わらへん。
これからもよろしく頼むで。」

中澤が言うと

「そういうことや。」

窪田も頷いた。


「ありがとう」

未来は泣きそうになりながら、無理して笑みを浮かべて二人に礼を言った。


その顔はどこからどう見ても女のそれであって、中澤と窪田は、思わず見惚れてドキッとした。


(学校は何とかなったけど…
親には…

ムリよね…)

未来は親へのカミングアウトは、現段階では不可能だと考えていた。
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