ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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road to lord

初詣

「この辺も人口減ったかなって思ったけど、人の出を見てみるとまだまだ沢山いるよな」


涼太は神社を行き交う人波を見ながら未来に言った。

「でも、ワタシも涼ちゃんも地元には住んでないんだし、ここに来てる人も帰省してる割合が多いんだと思うよ。」


「あ、そうか
そうだよな」


涼太は恥ずかしそうに笑った。


「ワタシ、この神社に来るのって久しぶりな気がする。

前に来たのは、たしか…」

未来はそれだけ言いかけて口を噤んだ。


そして、変な間が出来てしまったので、不審に思った涼太が

「ん、どうした?」

と、言って未来の方に視線を向けた。


「あ、いや…

今、高校の時の同級生二人とすれ違って…」


「えっ、そうなんか」


「うん。
向こうは気付かずに通り過ぎてったけど…」


「そりゃ気付かんやろ

俺でも気付かん自信あるわ」

涼太はそう言って笑った。


「なんか恥ずかしいから、気付かれないでよかった。」


「まあ、それだけ美人なら堂々としてりゃいいよ。」


「えっ、涼ちゃん

ワタシ、大丈夫かなあ…見た目」


「ああ。
めちゃくちゃ可愛いと思うよ。

多分、ここまでの女性は道歩いててもなかなかいないと思う。
マジで。」

涼太は真顔で言った。


「えーっ、ホントに?」

未来は顔を真っ赤にして言った。


「せっかく美人になれたんだから、これからの女としての人生、幸せになれよな。」

涼太は笑って言った。


「ありがとう、涼ちゃん…」

未来は感極まった様子で、泣きそうになった。


「おいおい、そんなので泣くなよ。」


「違うのよ。
ワタシ、女性ホルモン打ってて去勢もしてるでしょ

ホルモンバランスが崩れてて、すぐ泣いたり落ち込んだり、色々大変なの」

未来はそう言って泣き笑いした。


「大変だなあ。
女になるってのも」


「でも、幸せよ。
これがワタシがなりたかった姿だもん。」


「そうか。
それが一番だよな。

機会があったら、旦那さんにも会わせてくれよ。
未来ちゃんの事よろしく頼むって言いたいしな。」


「うん。
ワタシも会ってもらいたい。

お父さんとお母さんには、うーん…
会わせるのは無理だと思うけど」


「だから心配すんなって。

俺が話してやるからよ」

涼太は笑って未来の肩に手を置いた。
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