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road to lord
改心
「兄貴、義姉さん
わかってやったんなら未来ちゃんに声をかけてやれよ。」
涼太は畳み掛けるように二人に言った。
孝通はバツの悪そうな顔をしていたが、決心がついたのか、未来の方を向き、訥々と話し始めた。
「未来、俺は古い人間かもしれんが、お前の今の姿を見て理解できずにキツく当たってしまった。
しかし、お前のような人間が世の中にいて苦しんでいるって事も、本当はよくわかっていたんだ。
ただ、それは他人事で、自分には関係ない話だと思いながら。
まあ、ちょっとずつ理解はしていこうと思ってる。
色々キツイ事言ってすまなかったな。
母さんからも何か言ってくれ」
孝通はこれ以上話をするのがキツくなったのか、後を麻美に振った。
「未来
お母さんもあんたの苦しみをわかってあげられなくて申し訳ないって思ってるわ。
ごめんね」
麻美は涙を目に溜めて未来に言った。
もう未来に我慢することは不可能であった。
大号泣し、両手で顔を覆って肩を震わせた。
「よし、兄貴も義姉さんもわかってくれてよかったな!未来ちゃん」
涼太が声をかけると、未来は依然として両手で顔を覆ったまま、二度頷いた。
「これで安心したわ。
じゃあ、そろそろ帰るとするか。」
涼太はそう言い、立ち上がり、未来の頭に手をそっと置くと
「未来ちゃん、幸せになれよ」
と声をかけて部屋を出ていった。
未来と両親の三人だけとなり、しばらく気まずい時間が流れていったが、段々と落ち着いてきて、それぞれが普通に会話するようになった。
「まあ、お前がそういう生き方をする事はわかった。
それはわかったんだが、就職とかはどうするつもりなんだ?」
孝通は、その辺の事を一番心配しており、未来に真っ先に質問した。
「うん。
今、お付き合いしてる人がいて、その人が経営している会社で働かないかって言われてて。」
「お付き合い?
お付き合いって、その人は男の人なのよね?」
「うん。」
「未来の事をわかってて?」
「うん。
ワタシが男だって事はもちろん知ってる。」
「そ、そうなの…」
「実は、その人から結婚しようって言われてて…」
「結婚?
あんた、結婚て…
そんなこと、男同士で結婚なんて出来るの?」
「うん。
今は籍は入れられないけど、もう少ししたら法律も変わって大丈夫になるはず。
それまではいわゆる事実婚みたいな形になると思う」
未来の話は何から何まで理解できないものだった。
特に孝通は、先ほどから何も言葉を発せず、麻美と未来の話を、ただ聞いているだけになってしまっていた。
わかってやったんなら未来ちゃんに声をかけてやれよ。」
涼太は畳み掛けるように二人に言った。
孝通はバツの悪そうな顔をしていたが、決心がついたのか、未来の方を向き、訥々と話し始めた。
「未来、俺は古い人間かもしれんが、お前の今の姿を見て理解できずにキツく当たってしまった。
しかし、お前のような人間が世の中にいて苦しんでいるって事も、本当はよくわかっていたんだ。
ただ、それは他人事で、自分には関係ない話だと思いながら。
まあ、ちょっとずつ理解はしていこうと思ってる。
色々キツイ事言ってすまなかったな。
母さんからも何か言ってくれ」
孝通はこれ以上話をするのがキツくなったのか、後を麻美に振った。
「未来
お母さんもあんたの苦しみをわかってあげられなくて申し訳ないって思ってるわ。
ごめんね」
麻美は涙を目に溜めて未来に言った。
もう未来に我慢することは不可能であった。
大号泣し、両手で顔を覆って肩を震わせた。
「よし、兄貴も義姉さんもわかってくれてよかったな!未来ちゃん」
涼太が声をかけると、未来は依然として両手で顔を覆ったまま、二度頷いた。
「これで安心したわ。
じゃあ、そろそろ帰るとするか。」
涼太はそう言い、立ち上がり、未来の頭に手をそっと置くと
「未来ちゃん、幸せになれよ」
と声をかけて部屋を出ていった。
未来と両親の三人だけとなり、しばらく気まずい時間が流れていったが、段々と落ち着いてきて、それぞれが普通に会話するようになった。
「まあ、お前がそういう生き方をする事はわかった。
それはわかったんだが、就職とかはどうするつもりなんだ?」
孝通は、その辺の事を一番心配しており、未来に真っ先に質問した。
「うん。
今、お付き合いしてる人がいて、その人が経営している会社で働かないかって言われてて。」
「お付き合い?
お付き合いって、その人は男の人なのよね?」
「うん。」
「未来の事をわかってて?」
「うん。
ワタシが男だって事はもちろん知ってる。」
「そ、そうなの…」
「実は、その人から結婚しようって言われてて…」
「結婚?
あんた、結婚て…
そんなこと、男同士で結婚なんて出来るの?」
「うん。
今は籍は入れられないけど、もう少ししたら法律も変わって大丈夫になるはず。
それまではいわゆる事実婚みたいな形になると思う」
未来の話は何から何まで理解できないものだった。
特に孝通は、先ほどから何も言葉を発せず、麻美と未来の話を、ただ聞いているだけになってしまっていた。
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