ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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exclusive defense

telepathy

未来が帰った後、薫は豊田に

「師範、よかったですね
新規さんが入ってきてくれて。」

と、笑って言った。

「いやあ、新田君といい、今の筒井さんといい、なんか久々やで。
一日で二人も入会者があったの。

それも女の子二人」
 

「師範
ワタシは女じゃないし」

薫は声を出して笑った。

「まあ、細かい事はええとして、いつから来れる?」


「じゃあ、来週月曜日からいいですか?」


「うん。
じゃあ、あらためてよろしく。」


「師範、よろしくお願いします。
それではワタシ、帰ります。
今日はお忙しい中、有難うございました。」

薫は豊田に礼を言って道場を後にした。


薫は地下鉄の駅までの道を考え事をしながら歩いていた。

西長堀駅の2番出口を下り、改札を通った。
そして、南巽行きの電車に乗る為、左側の階段を降りていった。


(えっと、前の方がよかったっけ…)

どこから電車に乗るかを考えながらホームを歩く薫だったが、目の前に、先ほど道場に来ていた未来が立っており、一瞬固まってしまった。

未来も薫の事に気付き、こちらを見ると、ちょっと緊張しながら頭を下げた。

薫は未来の元に歩いていき

「先ほどはどうも」

と、頭を下げた。

「こちらこそ」

未来も若者らしい屈託のない笑みを浮かべて会釈した。


隣同士で電車を待つ二人だったが、何を喋っていいかわからず、妙な間が出来てしまった。

千日前線は本数が少なく、まだ当分来ないようだ。

薫は、少し硬くなりながら、未来に話しかけた。

「どちらにお住まいなんですか?」

と。


「ワタシですか。

この近くに住んでるんです。
さっきの空手道場から歩いて行ける距離で。

これからちょっと難波に出ようかなって。」


「あー、そうなんですか。

この辺、なかなか良いところですね。
おしゃれなお店も沢山あって。」 


「堀江の方はそうですね。

あの、どちらから来られたんですか…」


「ワタシは住吉区なんです。帝塚山の方で…

難波に出て、そこから南海高野線に乗って帰ります。」

二人は当たり障りのない話をしながら、電車を待っていた。

しかし、薫も未来も本当は違うことを聞きたかった。

そして、やはり年長者の薫が口火を切った。

「変な事聞いてもいいですか」

「えっ、はい…」

「間違えてたら本当にごめんなさい…

あの…ひょっとして、ニューハーフさんですか?」

薫は緊張した面持ちで、未来に質問した。

「あ、そうです…

それじゃあ…」


「ええ。ワタシもそうなんです。

さっき道場でお見かけして、ひょっとしたらって思ってたんです。」


「ワタシもです。
何となくそんな感じがしてて」

ニューハーフはニューハーフを知る。
二人共、口では説明できない微妙な違和感があり、道場では聞く事が出来なかったが、二人共機会を得たとばかりに、互いの疑問を、ぶつけ合ったのである。

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