ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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exclusive defense

half sympathy

電車が来るまでの間、薫と未来はさっきまでとは打って変わって、話が盛り上がりまくった。

ようやく電車が来て、乗り込んだ二人は、僅か二駅の間、四分ほどであったが、さらに話が弾んだ。


なんば駅に到着すると、薫は

「それじゃあ、ワタシは南海なんで」

と、言って前方の方を指さした。


「はい。

あの、薫さん」


だが、未来はそんな薫を呼び止めた。
薫が未来の方を向くと

「よかったら、ちょっとだけお茶しませんか」

未来は、勇気を振り絞ったのか、顔を真っ赤にして言った。


「えっ…

うん、よろこんで」


薫も即答で返事をした。



二人は改札を抜けると、エスカレーターに乗って地下のショップが立ち並ぶ通りに出て来た。


「あそこのビルの下にあるスタバにします?」


「そうだね。そこにしよう」


未来の提案に乗った薫は、頷いた。


それから二人共コーヒーを注文し、たまたま空いていた二人席に腰掛けた。


「すいません。
無理矢理誘ってしまって…
ご予定があったんじゃないです?」

未来は席に着くなり、申し訳なさげに言った。


「ううん。
今日は仕事も休みだし、全然大丈夫よ。」


「ありがとうございます。

ワタシ、思ってもみないところで、自分と同じニューハーフの方に会って、テンション上がっちゃって。」


「あ、ワタシもだよ。」


「あらためて自己紹介します。

筒井未来っていいます。歳は二十一です。
仕事はまだしてなくて、大学に通ってます。」


「へえ、大学生なんだ。

ワタシは新田薫。
年齢は三十二
仕事はラーメン屋をしています。」


「ラーメン屋!

経営されてるんですか?」


「ううん。

主人が…って言っても、ワタシ手術してないから籍は入れてないんだけど、その彼がラーメン屋を始める事になって、一緒に働かせてもらってるって感じね。
ワタシはラーメンを作れないから、主に雑用担当だけど。」


「へえ、すごーい。

ところで、薫さんて、本名なんですか」


「あ、そうだよ

未来ちゃんは?」


「ワタシも本名です。

お互いに女子でも通用する名前でよかったですね。」


「ホント、そうだね。」


「薫さん、会ったばっかりでこんな話していいのかどうか、わかんないんですけど…

ワタシ、今付き合ってる彼氏がいて…」


「えっ、そうなんだ」


「その彼氏に結婚しようって言われてるんです。」


「うんうん。」


「ワタシもすごく彼のことが好きで、すぐにでもそうしたいって思ってるんですけど…」

未来はそこまで話をしたが、やはり言いにくいのか、そこから沈黙してしまい…
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