ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

文字の大きさ
304 / 409
exclusive defense

killer queen

「薫さん、アレ…ヤクザですよ」

未来は緊張気味に薫に耳打ちした。

薫もその方向に視線を向けたが、未来が言った通り、六人ほどでこちらに歩いてくる集団が視界に入った。

ステレオタイプではなかったが、見るからにカタギじゃない雰囲気を出している為、思わず身構えてしまう薫と未来だったが…

すぐに薫がその警戒心を解いた。


「未来ちゃん、大丈夫よ。

あれはワタシの知り合いだから」

薫は、未来に落ち着いた口調で言った。


そして、薫の方から近づいていき、その集団の真ん中にいた男性と隣の女性に頭を下げた。

「こんにちは、大西さん」

と、言いながら。


「あ、薫ちゃんか?」


大西は薫の顔を見て、笑みを浮かべて言った。


「沙織さんも、こんにちは」


「薫さん
こんにちは、久しぶりね。

あれ?今日はお店じゃないの?」


「今、ワタシだけお休みもらってて…」


「あら、そうなの?
それにしても、どうしてこんなところに?」


「ええ。
この近くにある空手道場に通ってて」


「そうなのね。」

亮輔はそう言うと、薫の隣にいた未来に視線を向けた。


薫は慌てて、先ずは未来の紹介から始めた。


「あの、こちらは筒井未来さん。
ワタシと同じ空手道場に通ってて、そこでお友達になりました。

ワタシの口から言うのもアレなんですけど、未来ちゃんは、垂水組の岡田組長の婚約者です。」

先に互いの正体を説明しておくのが得策だと思い、薫は未来の素性を説明し、未来には亮輔達の紹介をした。


「未来ちゃん
こちらは大西組の大西組長と、その奥様の沙織さんです。

大西組の前身の組に、ウチの主人がいてお二人にはワタシも含めて大変お世話になったの。

大西組は垂水組の友好団体で、この前未来ちゃんが遭遇した大友組とは全く関係ないから、安心してね。」


「そうだったんですか…

筒井未来と申します。
よろしくお願いします。」



未来が優磨のフィアンセだと聞き、唖然とする大西と亮輔だったが、すぐに我に返り、年少者の未来に対し、頭を下げた。

「いやあ、そうでしたか

岡田さんの。

その節は垂水組には色々お世話になりましてねえ、あの支援があったから私も沙織もこうして白昼の往来が出来ているんですよ。」


「いえ、ワタシは全然関係ないので…」

未来は恐縮気味に言った。

「聞いているかもしれませんが、大友組を中心として頻繁に揉め事が起きています。

薫ちゃんも未来さんも、十分に注意なさって下さい。」

大西は辺りを見回しながら声を落として言った。

こんな大所帯で行動しているのもそれが原因だと考えた薫は、危機が迫っていることを自覚せずにはいられなかった。
感想 1

あなたにおすすめの小説

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

世界の終わりにキミと

フロイライン
エッセイ・ノンフィクション
毎日を惰性で生きる桐野渚は、高級クラブの黒服を生業としていた。 そんなある日、驚くほどの美女ヒカルが入店してくる。 しかし、ヒカルは影のある女性で、彼女の見た目と内面のギャップに、いつしか桐野は惹かれていくが…

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

兄になった姉

廣瀬純七
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

交換した性別

廣瀬純七
ファンタジー
幼い頃に魔法で性別を交換した男女の話