ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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懐柔編

「ごめんなさい、あなた」


多村達が去った後、亮輔は、車の中で大西に頭を下げた。


「沙織、頼むぜ。
今日のはホントにたまたまだったんだよ。

拓にお前が迎えに来いって言ったのはわかってたんだが、まさかこんな事になるとはわからずに、俺は家に帰ろうとしてたんだ。

だが、そのとき、鷹村先生から電話が入ってな。

お前がマズイ事になりそうだから、ちょっと見に行ってくれって。」


「えっ、鷹村先生が?」


「ああ。

垂水組はすげえよな。

直接関係のない俺達の事まで動きを把握してるのかって。

まあ、張ってたのは多村の方にかもしれないけどな。」


大西はそう言って笑った。


「しかし、間一髪で間に合ってよかったよ。
少しでも遅れたら、大変な事になってた。」


「本当にごめんなさい。」


「済んだことだ。

気にすんな。
だが、ちょっとは考えてくれたか?」


「えっ」


「一時的に男に戻るってことを」


「…」


「もし、次に今日みたいなことがあったら、今度こそお前を守りきれないかもしれない。」


「…うん

わかったわ


男に戻ります。」


亮輔は、さすがに観念し、男に戻る事を大西に約束した。

もう何年も女でいる事から、男の心象など全く残っていない亮輔だったが、今回の事態を受け、久しぶりに男に戻ることを決心した。
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