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懐柔編
内宮外宮
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「だから男に戻るの嫌だったのよ。
外見は男で中身が女のままなんだもん。」
亮輔は、大西の隣で恥ずかしそうに言った。
「まあ、そりゃそうだが、お前は顔を女顔にされてっからなあ。
まあ、全然抱けたわ。」
「嬉しい!」
亮輔は大西に抱きつき、頬に何度もキスをした。
「だけど、組事務所では男らしくしといてくれよ。
変な目で見られるぞ」
「うーん…
難しいなあ。」
「それもこれも抗争が終わるまでの辛抱だ。」
「待てるかしら…
ワタシ、自信がないわ。」
亮輔は不安な面持ちで言った。
その頃、多村は、組事務所で難しい顔をして腕組みをしたまま固まっていた。
キムや大友が活発に意見を交わす中、ただ一人黙って目を瞑っていた。
「それにしても松山亮輔の確保に失敗するとは、なかなかの失態を演じてしまいましたな。
少し軌道修正をしなきゃならんでしょうなあ。」
キムが少し嫌味っぽく言うと、大友も頷いた。
「大西組については、私怨によるところが大きかったんや、元々な。
こうなってしもたからには、大西は放置するしかあるまい。」
だが、当の多村は納得せず、目を開け、隣にいる大友に
「ダメよ、あなた。
大西と松山は必ず殺らなきゃダメ。
何があっても。」
「多村さん、そんな事を言っても確保に失敗したんですよ、こっちは。
噂によると、亮輔は男に戻っちまったっていうじゃありませんか。
こうなってしまうと、向こうも警戒するでしょうし、なかなか手出しは出来ませんて」
キムは真っ当な意見を述べた。
「わかってるわ。そんなことは。
こうなってしまったからには軌道修正はやむを得ないし、狙いを変更するのも仕方ない事。
でも、順番は変わっても、あの二人には必ず地獄を味わってもらうわ。」
「で、多村さん
軌道修正って、どうするつもりですか」
「フンッ
フツーに考えれば沢木組に行くのがセオリーだけどね。
だいたい現代のヤクザ組織が抗争を仕掛ける自体が異常なことであり、セオリーを無視してるのよ。
それだけに相手もワタシらを怖がっているはず。
たとえ、日本一の大組織である垂水組といえども。」
「まさか、多村さん…」
キムは焦った表情で、多村を見つめた。
「チンタラやる時期はもう過ぎたのよ、キム」
多村はそう言うと、ニヤッと笑った。
外見は男で中身が女のままなんだもん。」
亮輔は、大西の隣で恥ずかしそうに言った。
「まあ、そりゃそうだが、お前は顔を女顔にされてっからなあ。
まあ、全然抱けたわ。」
「嬉しい!」
亮輔は大西に抱きつき、頬に何度もキスをした。
「だけど、組事務所では男らしくしといてくれよ。
変な目で見られるぞ」
「うーん…
難しいなあ。」
「それもこれも抗争が終わるまでの辛抱だ。」
「待てるかしら…
ワタシ、自信がないわ。」
亮輔は不安な面持ちで言った。
その頃、多村は、組事務所で難しい顔をして腕組みをしたまま固まっていた。
キムや大友が活発に意見を交わす中、ただ一人黙って目を瞑っていた。
「それにしても松山亮輔の確保に失敗するとは、なかなかの失態を演じてしまいましたな。
少し軌道修正をしなきゃならんでしょうなあ。」
キムが少し嫌味っぽく言うと、大友も頷いた。
「大西組については、私怨によるところが大きかったんや、元々な。
こうなってしもたからには、大西は放置するしかあるまい。」
だが、当の多村は納得せず、目を開け、隣にいる大友に
「ダメよ、あなた。
大西と松山は必ず殺らなきゃダメ。
何があっても。」
「多村さん、そんな事を言っても確保に失敗したんですよ、こっちは。
噂によると、亮輔は男に戻っちまったっていうじゃありませんか。
こうなってしまうと、向こうも警戒するでしょうし、なかなか手出しは出来ませんて」
キムは真っ当な意見を述べた。
「わかってるわ。そんなことは。
こうなってしまったからには軌道修正はやむを得ないし、狙いを変更するのも仕方ない事。
でも、順番は変わっても、あの二人には必ず地獄を味わってもらうわ。」
「で、多村さん
軌道修正って、どうするつもりですか」
「フンッ
フツーに考えれば沢木組に行くのがセオリーだけどね。
だいたい現代のヤクザ組織が抗争を仕掛ける自体が異常なことであり、セオリーを無視してるのよ。
それだけに相手もワタシらを怖がっているはず。
たとえ、日本一の大組織である垂水組といえども。」
「まさか、多村さん…」
キムは焦った表情で、多村を見つめた。
「チンタラやる時期はもう過ぎたのよ、キム」
多村はそう言うと、ニヤッと笑った。
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